中学受験の算数において、避けては通れない重要な単元が「つるかめ算」です。塾の授業で習ったけれど、いざ問題を解こうとすると「式が思い出せない」「面積図の書き方がわからない」と悩んでしまうお子さんも多いのではないでしょうか。
この記事では、つるかめ算の基本から、面積図や表を使った分かりやすい解き方、さらには中学受験で頻出の応用パターンまでを丁寧に解説します。この記事を読み終える頃には、苦手意識が自信に変わっているはずです。
つるかめ算の基本概念と公式

つるかめ算を攻略する第一歩は、その仕組みを正しく理解することです。単に公式を暗記するのではなく、「なぜその計算になるのか」という本質を掴みましょう。
つるかめ算の意味と特徴
つるかめ算とは、2種類のものの「合計の数」と「それぞれの単位あたりの量」、そして「全体の合計量」がわかっているときに、それぞれの個数を求める計算方法です。
もともとは「つるとかめが合わせて10匹いて、足の数の合計が26本のとき、それぞれ何匹ずついるか」という問題が名前の由来となっています。中学受験では、つるやかめだけでなく、切手や硬貨の枚数、速さ、仕事量など、さまざまな場面でこの考え方が使われます。
つるかめ算のような中学受験特有の「特殊算」をスムーズに習得するには、適切な時期からの準備と基礎体力が欠かせません。受験勉強をいつから始めるべきか、また低学年のうちから取り組んでおくと圧倒的に有利になる内容については、以下の記事を参考にしてください。
全てを片方と仮定する考え方
つるかめ算の最も重要な考え方は、仮定することです。
「もし、すべてが足の少ない方(つる)だったら?」と仮定してみるのです。すると、実際の足の数との間に「差」が生まれます。その差は、つるを1匹ずつかめに入れ替えていくことで埋まっていきます。この「入れ替えた時の変化量」に注目するのが、つるかめ算の論理的な解き方です。
覚えやすい基本の計算公式
つるかめ算には、計算をスムーズに進めるための公式があります。
- (全体の合計 - 全てを片方と仮定した時の合計)÷(1つあたりの量の差)= 入れ替えた方の個数
例えば、すべてをつると仮定して計算を進めた場合、この式で出てくる答えは「かめの数」になります。「仮定しなかった方の個数」が求められるという点をしっかり押さえておきましょう。
面積図を使った解き方の手順

中学受験で最も推奨される解き方が、面積図を活用する方法です。視覚的に状況を整理できるため、ケアレスミスを防ぎやすくなります。
面積図の書き方のステップ
面積図を書くときは、以下の手順で進めましょう。
- 2つの長方形を横に並べて書く
左側に数値の小さい方(例:つる)、右側に数値の大きい方(例:かめ)を配置します。 - 全体の枠を囲む
2つの長方形を合わせた全体の合計(面積)を意識した大きな図にします。 - わかっている数値を書き込む
縦の長さ、横の長さ、面積をそれぞれ記入します。
縦と横の長さが表す数値
面積図において、それぞれの辺が何を表すかを正しく設定することが重要です。
不足分から答えを出す計算
面積図を書くと、大きな長方形の中に「欠けている部分」や「突き出している部分」が見えてきます。
すべてを数値の小さい方(つる)と仮定した場合、実際の合計面積よりも図の面積が小さくなります。この不足している面積を、2つのものの「縦の長さの差」で割ることで、数値の大きい方(かめ)の横の長さ、つまり個数を導き出すことができます。
表を使った解き方と整理術

低学年や、面積図がまだ苦手なお子さんには、表を使って解く方法がおすすめです。数値の変化を一段ずつ追うことで、論理の筋道が明確になります。
表の作成手順と数値の変化
まずは、どちらか一方の個数を最大にした状態から表を書き始めます。
このように、1つずつ入れ替えていくことで、合計がどのように変化するかを書き出していきます。
表から規則性を見つける方法
表を数行書くと、ある規則性に気づくはずです。つるを1匹減らしてかめを1匹増やすごとに、足の合計は必ず2本ずつ増えています。
この「2本」という数値は、かめの足(4本)とつるの足(2本)の差です。この規則性さえ見つければ、表を最後まで書かなくても、「あと何本足りないから、あと何回入れ替えればいいか」を計算で求めることができます。
つるかめ算の練習問題と解説

実際に問題を解いて、理解度を確認してみましょう。
基本的な例題と解き方
【問題】
つるとかめが合わせて8匹います。足の数の合計が22本のとき、つるとかめはそれぞれ何匹いますか?
【解説】
- すべてをつると仮定します。足の数は 2本 × 8匹 = 16本 です。
- 実際の合計との差を求めます。 22本 - 16本 = 6本 足りません。
- つる1匹をかめ1匹に変えると、足は 4本 - 2本 = 2本 増えます。
- 足りない6本を埋めるには、 6 ÷ 2 = 3回 の入れ替えが必要です。
- よって、かめは3匹、つるは 8 - 3 = 5匹 となります。
中学受験レベルの練習問題
【問題】
50円切手と80円切手を合わせて15枚買い、代金の合計は960円でした。それぞれ何枚買いましたか?
【解説】
- すべて50円切手だと仮定すると、代金は 50円 × 15枚 = 750円 です。
- 実際の代金との差は、 960円 - 750円 = 210円 です。
- 50円切手を80円切手に1枚変えるごとに、代金は 80 - 50 = 30円 高くなります。
- 210 ÷ 30 = 7 なので、80円切手は7枚です。
- 50円切手は 15 - 7 = 8枚 となります。
応用問題と詳しい解説
【問題】
テストで、正解すると5点もらえ、間違えると2点引かれます。20問解いて合計点が72点だったとき、正解は何問ですか?
【解説】 この問題の注意点は、間違えると「マイナス」になることです。
- すべて正解したと仮定すると、 5点 × 20問 = 100点 です。
- 実際の点数との差は、 100点 - 72点 = 28点 です。
- 正解を1問間違いに変えると、もらえるはずの5点がもらえず、さらに2点引かれるため、合計で 5 + 2 = 7点 減ることになります。
- 28 ÷ 7 = 4 なので、間違いは4問です。
- 正解は 20 - 4 = 16問 となります。
3つのつるかめ算と応用パターン

中学受験の入試本番では、要素が3つに増えたり、他の単元と組み合わされたりする応用問題が出題されます。
3つの要素がある時の解き方
3つのつるかめ算とは、例えば「10円、50円、100円の硬貨が合わせて20枚ある」といった問題です。通常、このままでは解けませんが、問題文に「10円と50円の枚数は同じ」などの条件が隠されています。
3つのつるかめ算を解くコツ
速さの問題への活用方法
「家から駅まで、はじめは分速60mで歩き、途中から分速150mで走ったところ、15分で1260m進んだ」という問題も、つるかめ算で解けます。
として面積図を書けば、歩いた時間と走った時間をそれぞれ求めることができます。
損益算での考え方と注意点
「卵を100個仕入れ、1個20円の利益を見込んで売ったが、途中でいくつか割れてしまった」という損益算の応用も頻出です。割れた卵は利益が出ないだけでなく、仕入れ値分が「丸ごと損」になるため、前述の「テストの点数問題」と同じように、1つあたりの差が大きくなることに注意しましょう。
苦手克服と教え方のポイント

つるかめ算に苦手意識を持つお子さんは多いですが、教え方の工夫次第でスムーズに理解できるようになります。
小学生がつまずく原因と対策
多くのお子さんがつまずくのは、「なぜ差で割るのか」という論理の部分です。
単に「公式だから」と教えるのではなく、「1つ入れ替えると、合計がどれだけ変化するか」を、実際のおはじきや図を使って見せてあげてください。変化のプロセスを実感することが、納得感に繋がります。
保護者が教える時のコツ
保護者が教える際は、以下のポイントを意識してみてください。
家庭で親が特殊算を教えようとすると、つい感情的になってしまったり、塾とは異なる解き方を教えて子供を混乱させてしまったりすることも少なくありません。親御さんの負担を減らしつつ、算数の成績を効果的に引き上げるために家庭教師を活用するメリットについては、こちらで解説しています。
まとめ
つるかめ算は、中学受験算数における「特殊算」の代表格ですが、その本質は「仮定して、差に注目する」という非常にシンプルなものです。
まずは表を書いて規則性を見つけることから始め、慣れてきたら面積図を使って視覚的に解く練習を積みましょう。基本の形をマスターすれば、速さや損益算といった応用問題も同じ考え方で解けるようになります。焦らず一歩ずつ、お子さんのペースで「わかった!」を増やしていってくださいね。
つるかめ算は、中学受験の算数における最重要単元の一つであり、今後の実戦力を左右する土台となります。つまずきをそのままにせず、早めに苦手意識を解消しておくことが志望校合格への近道です。学研の家庭教師では、つるかめ算をはじめとする特殊算の攻略から、志望校の出題傾向に合わせた個別対策まで、お子様のペースに合わせて徹底的に伴走します。現在の算数の成績に不安がある方や、塾の授業についていくための補習を希望される方は、まずは無料の学習相談からお気軽にお問い合わせください。






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