お子様が不登校になると、親御様として最も心配なことの一つが成績ではないでしょうか。「学校に行っていないから通知表はオール1になってしまうのか?」「このままでは高校に進学できないのではないか?」という不安は非常に切実なものです。
結論から申し上げますと、不登校であっても適切な対策を講じることで成績評価を得たり、希望する進路を選んだりすることは十分に可能です。
この記事では、不登校における通知表の評価基準や、成績を確保するために今すぐできる具体的なアクションについて、文部科学省の指針に基づき詳しく解説します。
不登校の通知表の付け方と評価基準

不登校であっても、学校側は文部科学省のガイドラインに沿って成績を評価する義務があります。登校できないからといって、自動的にすべての評価が否定されるわけではありません。
文部科学省の成績評価指針
文部科学省は、不登校児童生徒の支援において「登校という結果のみでなく、自立を助ける」という方針を示しています。成績評価についても、学校外での学習活動を適切に評価に反映させることが推奨されています。
かつては「出席日数」が重視されていましたが、現在は学習内容の習得状況が重視される傾向にあります。そのため、自宅学習やICT教材の活用が認められれば、学校に行かなくても評価の対象となる道が開かれています。
(参考:文部科学省「不登校児童生徒への支援の在り方について」)
観点別学習状況の評価方法
現在の中学校の通知表は、主に3つの観点から評価が決まります。
不登校の場合、授業内での発言による評価は難しくなりますが、テストや提出物で他の2項目をカバーすることが戦略的に重要となります。
成績1や斜線がつく条件
通知表に成績1がつく、あるいは評価不能を意味する斜線(/)が引かれるのには明確な理由があります。
「評価材料を先生に届けること」さえできれば、斜線やオール1を回避できる可能性は格段に高まります。
成績評価の対象となる学習活動

学校に通えなくても、評価の材料を作る方法はいくつか存在します。以下の3点を意識するだけで、成績が大きく変わる可能性があります。
定期テストの点数と評価
不登校であっても、定期テストだけは受けるという選択肢は非常に有効です。テストの点数は「知識・技能」の客観的な証拠になるため、先生も成績を付けやすくなります。
別室での受験や、放課後の受験を認めてくれる学校も多いため、「教室以外なら受けられるか?」を学校側に相談してみる価値は十分にあります。
定期テストを受けられないことで内申点にどのような影響が出るのか心配な方や、テストだけに登校して受けるための具体的な対策について詳しく知りたい方はこちらの記事も役立ちます。
提出物やワークの提出状況
授業に出られない分、提出物の重要性は通常よりも高まります。教科書準拠のワークやプリント、レポート課題を期限通りに提出することで、「主体的に学習に取り組む態度」を証明できます。
たとえテストが受けられなくても、ワークを完璧に仕上げて提出するだけで、評価不能(斜線)を避けられるケースは少なくありません。
ICT教材を利用した自宅学習
近年、文部科学省はICT(タブレット学習など)を用いた自宅学習を出席扱いにしたり、成績に反映させたりすることを認めています。
(参考:文部科学省「不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の出席扱いについて」)
ICT教材の活用とあわせて、自宅で無理なく勉強の遅れを取り戻し、確実に取り戻していくための具体的なステップを確認したい方はこちらの記事も参考にしてみてください。
保健室登校や別室登校の成績反映

教室には入れなくても、保健室や別室への登校ができている場合、それは成績評価において大きなプラス材料となります。
保健室登校での出席扱い
保健室登校は、多くの中学校で「出席」としてカウントされます。出席日数が確保できていることは、高校受験における内申書の「欠席日数」の項目で有利に働きます。
ただし、出席扱いになっても「学習」をしていなければ成績は上がりません。保健室で自習を行い、その成果を先生に確認してもらうプロセスが重要です。
適応指導教室での学習評価
教育委員会が設置する適応指導教室(教育支援センター)に通う場合も、学校の出席として認められるのが一般的です。
ここでの学習状況は学校へ報告されるため、指導員の方を通じて学習成果を伝えてもらうことで、成績評価の判断材料にしてもらうことができます。
フリースクールでの評価連携
民間のフリースクールに通っている場合も、学校長との連携次第で出席扱いや成績評価の対象にすることが可能です。
フリースクール利用時のポイント
不登校の成績が高校受験に与える影響

保護者様が最も不安に感じるのは、「成績が悪いと高校に行けないのではないか」という点でしょう。しかし、現在の入試制度は多様化しています。
内申書の扱われ方と重要度
高校入試では、当日の試験点数と内申書(調査書)の合計で合否が決まります。不登校で成績が低い場合、内申点での勝負は不利になるのが現実です。
しかし、私立高校の一般入試や、公立高校の二次募集など、当日点重視で内申点をあまり問わない選抜方法を採用している学校も多く存在します。
成績オール1からの高校進学
もし通知表がオール1であったとしても、進学できる高校は必ずあります。
不登校枠がある公立高校入試
都道府県によっては、公立高校入試に「不登校生徒を対象とした特別選抜」を設けている場合があります。
これは、不登校による内申点の低さを考慮し、自己申告書や面接、当日の試験結果を重視して判定する制度です。お住まいの地域の教育委員会HPなどで、「特別選抜」や「自己申告書」の制度があるか確認してみましょう。
内申点や成績に不安がある中でも、不登校のお子様が実際にどのような高校受験に臨めるのか、入学できる高校の選び方を知りたい方はこちらの記事もぜひご覧ください。
成績を上げるための具体的な対策

今からでも遅くありません。お子様の将来の選択肢を広げるために、親御様ができる3つのアクションをまとめました。
担任教師との定期的な面談
成績を付けるのはあくまで人間である担任や教科担任です。「学校には行けないけれど、勉強する意思はある」という姿勢を親御様から伝え続けることが大切です。
どのような課題を出せば評価の対象になるのか、具体的な評価基準を先生とすり合わせておきましょう。
テストのみ登校の実施
もしお子様が「テストだけなら頑張れる」という状態であれば、テストのみ登校を検討してください。
テストのみ登校を成功させるコツ
出席扱い制度の活用申請
自宅でタブレット学習などに取り組んでいる場合は、速やかに学校へ「出席扱い」の申請を行ってください。
単に出席日数が増えるだけでなく、学習履歴を提出することで「家庭でこれだけ学習した」という証拠になります。これが「主体的に学習に取り組む態度」の評価に直結し、オール1回避の強力な武器になります。
学校への相談だけでなく、家庭外で無料で利用できる公的相談窓口や、不登校の悩みに応じて頼れる相談先の選び方について詳しく確認したい方はこちらの記事もチェックしてみてください。
不登校のお子様の通知表の評価基準や、成績を確保するための具体的な対策を知っても、「いざ我が子の学習の遅れや内申点対策を、家庭だけでうまく進めていけるか不安」「不登校のお子様の学習支援や進路の選択に悩む中で、個別で丁寧に寄り添って指導してくれるプロの先生を見つけたい」とお悩みではありませんか?すべてをご家庭だけで抱え込んでしまう前に、専門のプロに頼ってみることも大切な選択肢です。
学研の家庭教師では、お子様の現在の状況やペース、不登校のお子様の指導経験豊富な講師による完全マンツーマンの個別指導を行っています。学校の学習の遅れのサポートやテスト対策から、メンタル面に配慮した丁寧な指導、進路に向けたご相談まで寄り添って伴走いたしますので、一人で抱え込まずにまずはお気軽にご相談ください。
まとめ
不登校中のお子様の成績について、不安を感じるのは当然のことです。しかし、通知表の成績は「学校に行くこと」だけで決まるものではありません。
テストの別室受験、ワークの提出、ICT教材の活用といった代替手段を組み合わせることで、評価の材料を作ることは可能です。また、たとえ成績が振るわなかったとしても、通信制高校や特別選抜枠など、お子様の個性を活かせる進路は必ず見つかります。
まずは学校の先生と「今できる評価の形」について話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。お子様のペースを守りながら、一歩ずつ進路への道筋を作っていきましょう。




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