子どもが学校に行き渋ると、保護者の方は不安でいっぱいになりますよね。何とかしたいと思っても、どこに相談していいかが分からなかったり、相談先が合わなかったりしたらどうしよう・・などと、相談すること自体にも不安を感じると思います。
今回は不登校に関する相談先のご紹介から、実際に相談経験がある保護者の事例まで、詳しく解説していきます。適切な相談場所が分からない方は是非参考にしてみてください!
不登校になりかけでも相談機関を利用していい?
学校への行き渋りが始まると保護者の方は不安に感じつつも、完全に不登校の状態になってからでないと相談機関の利用をためらってしまいますよね。結論として、早い段階でも相談をすることが可能です。子どもに不登校の傾向がある場合、保護者だけではなく専門家や周りの大人達で子どもを支えることが大切です。
早い段階で相談機関を利用することで、長期化せずに解決できる場合もあります。どこの相談機関も「完全に不登校になっていないから相談にのれない」ということはありません。
ただし、相談機関を利用する場合、まずはしっかり子どもと話合ってから利用を検討することをオススメします。
なぜなら、思春期の子どもはカウンセリングに対して抵抗を示す場合が多く、無理矢理連れて行こうとすると、かえって親子関係が悪化する可能性があるからです。
もしも、まだ子どもが相談機関を利用するべきではないと感じた場合は、まずは保護者の方だけで相談機関を利用してみてくださいね。
目的に合わせた相談機関リスト
いざ相談機関を利用したいと思っても、自分で相談機関を探すのは大変だと思います。そこで、保護者の相談目的に合わせた相談先一覧をご紹介します。実際に相談する際の参考にしてください。
話をきいてほしいなら
● スクールカウンセラー
スクールカウンセラーとは、学校で心理相談にのってくれる専門家のことです。生徒の相談だけではなく、保護者の相談にものってくれます。生徒・保護者の悩みを否定せず、肯定しながら聞いてくれます。
ただし、スクールカウンセラーは基本的に別の機関への橋渡しの役割は担いません。
不登校の解決に向けた動きをとりたい場合は、学校外の機関と連携しているスクールソーシャルワーカーを頼るか、学校にスクールソーシャルワーカーの在籍がない場合は地域の教育支援センターへ相談しましょう。
どこに相談していいかわからないなら
● 教育支援センター(適応指導教室)
教育支援センターとは、小・中学校を長期間休んでいる子どもが、学校以外での学習や集団生活を学べる場所のことです。カウンセラーが在籍しており、子どもだけではなく保護者の相談で利用することも可能です。学校復帰や社会的自立のサポートなど多岐にわたるサポートをしているため、子どもにどのようなサポートが必要なのかが知りたい場合は教育支援センターに相談してみましょう。
子どもの居場所を探すなら
● フリースクール
フリースクールとは、学校に行けない子ども達が学校の代わりに過ごす場所のことです。不登校の事例に詳しいスタッフが在籍しています。学校への復帰を必須とせず、メンタルケアを優先に対応にあたってくれます。また、保護者の相談も受け付けています。民間企業が運営しているので、スクールによって特長が異なります。子どもに合った運営をしているスクールを探しましょう。
● 不登校対応の塾・家庭教師
塾や家庭教師の中でも不登校コースを設けている会社があります。学校を休んでいる期間の学習の遅れが気になる場合にも、遡って学習が可能です。オンライン授業対応の会社もあるので子どもの状況に合わせて選びましょう。
家庭教師は外出することなく授業を受けられるので、不登校の子どもには負担が少ない学習方法です。学研の家庭教師の不登校コースでは、専門の先生が勉強だけでなくメンタル面や生活面のサポートもおこないます。お困りごとがあれば是非一度ご相談ください。
発達が気になる、心身的な症状が出ているなら
● 医療機関(精神科・心療内科)
発達障害の診断は小児科、児童精神科・小児神経科や発達外来で受けることができます。子どもの普段の様子で気になることがあれば診断を受けてみるのも良いでしょう。
また、SOSが見られる場合(眠れていない様子がある、ぼーっとしていることが増えた、自傷行為が見られる、死にたいと口にするなど)はすぐにカウンセラーに相談しましょう。保護者の方のメンタルケアが必要な場合にも有効です。
● 発達支援センター・放課後等デイサービス
発達支援センター・放課後等デイサービスとは、発達障害やグレーゾーンの子どもをサポートする施設です。特性に合わせた学習方法や家族の関わり方などを教えてくれます。地域の教育センターが窓口になる場合もあります。
経験者の情報を参考にしたいなら
● 親の会、NPO団体、経験者のブログなど
不登校の子を持つ保護者や、親の会を卒業した保護者、教員などが運営している団体です。同じ境遇の人たちとコミュニケーションをとることで、精神的な安定が見込めます。保護者の居場所がほしい場合にも有効です。住んでいる地域に団体が無い場合も、オンライン開催など様々な形式で相談ができます。
弊社が運営している学研のフリースクール・サポート校WILL学園では、元不登校経験者であり、WILL学園の責任者でもあるWILL先生が、Instagramにて小4〜高3の思春期・反抗期・不登校のママの子育てサポーターとして子育て術を発信しています。気になる方はチェックしてみてくださいね。
相談機関を利用するメリット
ここまで、どのような相談機関があるのか紹介しましたが、実際の利用にはハードルがあると思います。そこで、実際に相談機関を利用するとどんなメリットがあるのかをお伝えします。
保護者の気持ちが軽くなり、家庭に良い影響を与える
おそらく保護者の方も気持ちが疲弊しているでしょう。保護者が悩みを抱え込んでしまうと家庭にも悪い影響が出てしまうものです。
保護者の不安が子どもに伝わると、子どもがプレッシャーを感じてしまいます。更に子どもの気持ちも疲弊してしまい、どんどん学校に行けなくなってしまうことがあります。保護者の気持ちを軽くすることで家庭に良い影響が及びます。難しいことだとは思いますが、悩みを抱え込まず、専門機関を頼り、悩みを吐き出すことを心がけましょう。
不登校児への正しい対応を知ることができる
不登校の改善には知識が必要です。例えば、不登校の回復には段階があります。保護者はその子の状況に合わせた対応をすることが大切ですが、家庭内ではなかなか判断しづらいものです。保護者が取るべき対応について専門家の意見を聞いてみましょう。
また、子どもが学校以外の機関を利用することが必要な場合もあります。例えば医療機関、発達障害のサポート、居場所作り・・など、別の機関の紹介や橋渡しをしてくれるという面もあります。
子どもの居場所を見つけられる
子どものコミュニティは大人よりもかなり狭く、家庭と学校や習い事程度です。その場所でトラブルが起きると、大人以上にストレスを感じ、自己肯定感が下がってしまいます。家庭、学校以外の居場所があることがとても重要です。
子どもが自分で居場所を見つけようと、インターネット上のトラブルや非行に走る場合もあるので注意が必要です。
相談先に行きつくまでの実体験
相談機関がたくさんある中で、保護者の方が適切な相談機関を選べずに上手く対応が進まなかったケースもあるようです。そこで不登校の相談経験がある保護者の方に、最終的な相談先に行きつくまでにどのような経緯があったのかを伺いました。
生徒内トラブルの小学5年生
子どもが小学校4年生の時に友人とのトラブルがあり、学校を休みがちになりました。
最初は担任の先生に相談しましたが、あまり状況が変わりませんでした。次に教頭先生と保健室の先生に相談し、担任の先生との間に入ってもらう形で対応をしてもらいました。しばらくは保健室登校をしていましたが、クラス替えのタイミングで配慮してもらい、学校に復帰しました。
起立性調節障害をもつ中学1年生
子どもは朝起きることができず遅刻が続いていました。その結果、教室に入りづらくなってしまい保健室登校になりました。学習の遅れが出始め、担任の先生に相談しましたが、個別対応は難しいとの回答でした。そこで地域の教育支援センターに相談し、子どもも納得して通い始めましたが、朝起きれずなかなか参加することができませんでした。次にフリースクールに相談したところ、同じような起立性調節障害をもつ生徒が在籍する、遅い時間からスタートするスクールを見つけました。現在は少しずつ登校する時間を増やして通っています。
外に出られない中学3年生
子どもは不登校が長く、外に出られない状況でした。学習の遅れが気になり、保護者から通信教材の会社に相談。家での学習を始めましたが、自分での学習に苦戦していました。親の会で知り合った同じような状況の子をもつ保護者に悩みを相談すると、その家庭で利用していた家庭教師を紹介してもらいました。子どもは初めは先生に会わないと抵抗していましたが、不登校の生徒を担当したことがある先生が根気よく対応してくれて、現在では勉強以外でもよき話し相手になってくれています。
まとめ
この記事では不登校についての相談機関リスト、経験者の相談事例、専門家に相談するメリットを紹介しました。お子様が不登校になって悩まない保護者はいないと思います。この記事が相談へのステップとなり、お子様の状況回復に向かうきっかけになれば幸いです。
学研の家庭教師の不登校専門コースでは、専任の講師がお子様にとって信頼できる大人の一人となり、勉強だけではなくメンタルケアもおこないます。無料相談窓口もあるのでお気軽にご相談ください。