中学受験の国語において、多くの受験生が壁にぶつかるのが「記述問題」です。 「何を書けばいいのか分からない」「いつも部分点すらもらえない」と悩む保護者の方も多いのではないでしょうか。
記述問題は、正しいルールと手順を身につければ、確実に得点源にできる分野です。 この記事では、中学受験の国語の記述問題で高得点を取るための具体的なコツや、家庭で実践できる勉強法、おすすめの問題集を詳しく解説します。
記述対策は「書く」ことだけに集中しがちですが、実は「正確に読み取る力」が不可欠です。記述力とセットで鍛えるべき読解テクニックと、家庭での教え方のポイントを以下の記事で整理しています。
記述問題で得点するための基本ルール

記述問題には、内容以前に守るべき「鉄則」があります。 まずは、減点を防ぎ、採点者に伝わる文章を書くための基本ルールを押さえましょう。
文末表現の統一と記述の型
文末表現とは、文章の終わり方のことで、設問の問い方に合わせるのが記述の基本です。 設問の最後が「なぜですか?」であれば「〜から。」、「どのような気持ちですか?」であれば「〜という気持ち。」と結ぶ必要があります。
設問に合わせた文末の例
- 【理由を問う問題】
「〜から。」「〜ため。」 - 【内容や様子を問う問題】
「〜こと。」「〜様子。」 - 【心情を問う問題】
「〜という気持ち。」「〜という思い。」
この基本ができていないだけで、内容は合っていても1〜2点の減点対象になるため、徹底的な意識付けが必要です。
主語と述語の対応関係
主語と述語の対応とは、文章の中で「誰が(何が)」と「どうした(どんなだ)」が論理的につながっている状態を指します。 記述が長くなればなるほど、主語と述語が噛み合わない「ねじれ文」になりやすいため注意が必要です。
文章を書き終えたら、「主語と述語だけで意味が通じるか?」を必ず確認する習慣をつけましょう。 特に、主語を省略しすぎて「誰の動作か」が不明確になるケースは、中学受験の記述で非常によくあるミスの一つです。
指定文字数に対する適切な分量
記述問題には必ず文字数制限がありますが、指定文字数の80%以上を埋めることが合格ラインの目安となります。 例えば「100字以内」という指定であれば、少なくとも80文字以上は書かなければなりません。
分量が少なすぎる回答は、必要な要素が不足していると判断され、大幅な減点や採点対象外になる恐れがあります。 逆に、文字数をオーバーするのは絶対にNGです。 要素を詰め込みつつ、指定の枠内に収める「要約力」が求められます。
なぜか点数が伸び悩んでいる場合、採点者がどこを重視しているかを知るだけで、記述の書き方が劇的に変わります。部分点を着実に稼ぐための具体的な攻略法については、こちらで詳しく解説しています。
減点を防ぐ記述問題の解き方とコツ

記述問題は、いきなり書き始めてはいけません。 本文から必要な要素を拾い上げ、論理的に組み立てる手順が重要です。
設問の要求を正しく把握する手順
まずは、設問文を正確に読み解き、何を答えるべきかを明確にします。 「誰の」「何について」「どう答えるか」という条件に線を引くのが効果的です。
設問分析のチェックポイント
本文から解答要素を抽出する方法
記述の解答は、自分の意見ではなく、必ず本文中の根拠に基づいて作成します。 解答に必要なパーツ(要素)を本文から探し出し、それらを組み合わせる「パズル」のような感覚を持つことが大切です。
多くの記述問題では、正解に必要な要素が2〜3個散らばっています。 傍線の前後だけでなく、場面の変わり目や対比構造になっている箇所からキーワードを拾い集めましょう。 「どの要素を入れれば満点になるか?」を常に意識することが、記述力アップの近道です。
因果関係を整理する接続詞の使い方
複数の要素をつなげて一つの文章にする際、欠かせないのが接続詞です。 特に「原因」と「結果」をつなぐ「だから」「そのため」や、逆接の「しかし」を正しく使うことで、論理的な文章になります。
記述で役立つ接続詞
接続詞を適切に補うことで、採点者に「この受験生は論理的に考えている」という印象を与え、部分点を確保しやすくなります。
記述力を高める効率的な勉強法

記述力は一朝一夕には身につきませんが、正しいトレーニングを積めば確実に向上します。
部分点を狙うための書き直し練習
問題を解いて丸付けをした後、解説を読んで納得するだけで終わらせていませんか? 記述対策で最も効果的なのは、模範解答を参考にした書き直しです。
自分の解答に足りなかった要素は何かを確認し、それを含めてもう一度自力で文章を構成し直します。 この「自力で正解の形を作る」経験の積み重ねが、本番での対応力を養います。
要約力を鍛える日々のトレーニング
記述の基礎となるのは、文章の要点を短くまとめる要約力です。 普段の読書や塾のテキストの長文を読んだ後、「一言で言うとどんな話だった?」と問いかけ、40〜60字程度でまとめさせる練習が有効です。
要約トレーニングのステップ
- キーワードを3つ選ぶ
文章の中で重要だと思った言葉を抜き出します。 - 主語と述語を決める
「誰がどうした」という骨組みを作ります。 - キーワードを肉付けする
骨組みにキーワードを組み込み、指定の文字数に調整します。
過去問演習による実践力の養成
6年生の後半からは、志望校の過去問を用いた実践演習にシフトします。 学校ごとに「抜き出しが多い」「自由記述に近い」「文字数が非常に長い」といった出題傾向が異なるためです。
志望校の採点基準を予想し、時間内に書き切る練習を繰り返しましょう。 過去問演習では、タイマーを使って時間配分を意識することが不可欠です。
過去問は単に解くだけでなく、志望校特有の「記述の癖」を把握するための最強の教材です。入手方法からスケジュールの立て方まで、過去問を最大限に活用するためのガイドを併せてご確認ください。
記述対策におすすめの厳選問題集

市販の教材を活用して、段階的にステップアップしましょう。 ここでは、定評のある記述問題向け問題集を厳選して紹介します。
基礎を固めるための入門書
記述の書き方が全く分からないというお子様には、スモールステップで学べる教材が適しています。
難関校レベルの記述攻略問題集
ある程度書けるようになってきたら、より複雑な読解と構成力が求められる問題に挑戦しましょう。
- ・『中学受験国語 記述問題の徹底攻略』(大和出版)
難関校で出題されるハイレベルな記述問題に対応するための思考プロセスを学べます。
語彙力と表現力を磨く参考書
記述の質を高めるには、適切な言葉を選ぶための語彙力が欠かせません。
- ・『中学入試 言葉力1200』
記述で使いやすい抽象的な語彙や、心情を表す言葉を効率よく覚えられます。
家庭で実践する親の添削ポイント

家庭で子供の記述をチェックする際、どこに注目すべきか迷うこともあるでしょう。 親ができる効果的な添削のコツを紹介します。
採点基準に基づいた客観的な評価
添削の際は、感情的に「ここがダメ」と言うのではなく、加点方式で見てあげることが大切です。 塾の模範解答や解説にある「採点ポイント(要素)」をチェックし、お子様の解答にその要素が入っているかを確認します。
「このキーワードが入っているから3点プラスだね」というように、客観的な基準で評価することで、子供も納得感を持って学習に取り組めます。
子供のやる気を引き出す声かけ
記述はエネルギーを使う作業です。 間違いを指摘する前に、まずは「最後まで書き切ったこと」を褒めてあげてください。
「この文末表現は完璧だね!」「主語と述語がしっかり合っているよ」と、具体的な良い点を見つけて伝えることで、記述に対する苦手意識を少しずつ取り除いていきましょう。
白紙解答を克服させる改善策
もしお子様が白紙で出してしまう場合は、ハードルを極限まで下げることが必要です。 「間違えてもいいから、本文から大事そうな言葉を一つだけ抜き出してみよう」と促してください。
白紙を脱出するための3ステップ
- ステップ1
本文からキーワードを1つ見つける。 - ステップ2
そのキーワードを使って、短い一文を作る。 - ステップ3
文末を設問に合わせて整える。
まずは「部分点をもぎ取る」という成功体験を積ませることが、白紙克服の第一歩です。
国語の記述対策に取り組む中で「成績がなかなか上がらない」とお悩みであれば、記述以外の学習習慣や計画に原因があるかもしれません。偏差値を底上げするための全体的な戦略については、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ
中学受験の国語における記述対策は、単なる文章力の問題ではなく、「設問の要求を理解し、本文から根拠を見つけ、ルール通りに組み立てる」という技術の習得です。
これらのポイントを意識して日々の学習に取り組めば、記述問題は決して怖いものではなくなります。 お子様の努力を支えながら、一歩ずつ着実に記述力を伸ばしていきましょう。
ご家庭での添削は、親子のコミュニケーションにおいても重要ですが、一方で感情的な対立や、客観的な評価が難しいといった悩みも生じがちです。
学研の家庭教師では、講師が客観的な視点からお子様の回答を添削し、丁寧な解説と具体的な改善案を提示します。保護者の方のサポート負担を軽減しつつ、親子で記述力アップを目指すための環境を提供しています。





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