高校数学の学習において、多くの受験生が手にするのが数研出版の「チャート式」です。しかし、書店に行くと白・黄・青・赤など複数の色が並んでおり、「自分にはどの色が合っているのか?」と迷ってしまう方も少なくありません。
チャート式は、自分の実力や志望校に合わない色を選んでしまうと、解説が理解できなかったり、逆に簡単すぎて時間が無駄になったりするリスクがあります。この記事では、チャート式の色の違いと、失敗しないための選び方を詳しく解説します。
数学チャート式全6色の難易度比較

チャート式は、白・黄・青・赤・緑・黒の6色があり、それぞれ難易度と目的が明確に分かれています。
まずは、一般的な難易度の序列を把握しましょう。基本的には以下の順番で難易度が高くなります。
- 白チャート(基礎・教科書レベル)
- 黄チャート(標準・共通テストレベル)
- 青チャート(応用・国公立二次・難関私大レベル)
- 赤チャート(最高難度・最難関国立レベル)
これらに加えて、特定の目的に特化した緑チャート(共通テスト対策)と黒チャート(入試実戦)が存在します。
基礎を固める白チャートのレベル
白チャートとは、チャート式シリーズの中で最も基礎的なレベルに位置づけられる参考書です。
- 【対象者】
数学が苦手な人や、教科書の内容をゼロから理解したい高校1年生に最適です。 - 【到達レベル】
定期テストでの高得点や、共通テストの基礎固め、偏差値45〜50程度の大学を目指すレベルまで引き上げることが可能です。 - 【特徴】
例題の解説が非常に丁寧で、公式の証明や基本的な計算手順が省略されずに記載されています。
定番の黄チャートと青チャートの違い
多くの進学校で採用されるのが黄チャートと青チャートですが、この2つには明確な境界線があります。
黄チャート(解法と演習)
- 【レベル】
教科書レベルから中堅私大・地方国公立大学の入試準備までをカバーします。 - 【特徴】
基礎から標準問題への橋渡しがスムーズで、偏差値50〜55を目指す受験生にとって最も効率的な一冊です。
青チャート(基礎と演習)
- 【レベル】
難関国公立大学や早慶などの難関私大を目指す受験生の「バイブル」的存在です。 - 【特徴】
網羅性が非常に高く、偏差値60以上を目指すなら必須と言えます。ただし、基礎ができていない状態で取り組むと挫折しやすいため注意が必要です。
実際に青チャートを手に入れた後、どのように活用してレベル別・学年別に学習を進めればよいか具体的な手順を知りたい方はあわせてチェックしておきましょう。
最難関校向けの赤チャートのレベル
赤チャートとは、シリーズの中で最も歴史が古く、最高難度を誇る参考書です。
かつては「難しすぎる」という声もありましたが、近年の改訂により、解説の質が向上し、より論理的な思考力を養う構成になっています。東大・京大・国公立医学部を目指す受験生で、数学を得点源にしたい場合に選ばれる一冊です。
共通テスト対策専用の緑チャート
緑チャートとは、大学入学共通テストの対策に特化した色です。
他のチャート式が「単元別の網羅系」であるのに対し、緑チャートは共通テスト特有の「長い問題文」や「会話形式」に対応するための演習書という位置づけです。二次試験対策ではなく、共通テストで8割以上を確実に得点したい受験生に向いています。
共通テスト数学で高得点(9割)を狙うために、チャート式などの参考書を活用した具体的な勉強法やおすすめの参考書ルートを確認しておきましょう。
実戦演習に特化した黒チャート
黒チャートとは、正式名称を「医学部・難関大への数学」といい、入試本番を見据えた実戦演習のための参考書です。
他の色のように解法を暗記するのではなく、これまでに学んだ知識をどう組み合わせるかに主眼が置かれています。青チャートや赤チャートを終えた後の総仕上げとして活用されます。
志望校レベル別の失敗しない選び方

自分の現在の偏差値と志望校のランクを照らし合わせ、背伸びしすぎない色を選ぶことが合格への近道です。
「周りが青チャートを使っているから」という理由で選ぶのは危険です。以下の基準を参考にしてください。
偏差値50前後の基礎学習
基礎を確実にしたい場合
- 【推奨する色】
白チャート - 【理由】
まずは教科書の例題レベルを完璧にすることが優先です。白チャートで基礎を固めれば、その後の伸びが早くなります。
地方国公立やMARCH合格
標準的な入試問題に対応したい場合
- 【推奨する色】
黄チャート - 【理由】
地方国公立大学やMARCH(明治・青山学院・立教・中央・法政)レベルであれば、黄チャートの例題を完璧にするだけで合格圏内に到達できます。
旧帝大や早慶の二次試験対策
難関校の頻出問題を押さえたい場合
- 【推奨する色】
青チャート - 【理由】
旧帝大(北大・東北大・名大・阪大・九大)や早慶レベルでは、標準問題の組み合わせで解ける応用力が求められます。青チャートのコンパスマーク3〜4レベルを網羅することが合格の最低条件となります。
医学部や東大京大の受験対策
圧倒的な数学力を身につけたい場合
- 【推奨する色】
青チャート または 赤チャート - 【理由】
まずは青チャートを完璧にした上で、さらに思考力を磨くために赤チャートや黒チャートへ進むのが王道ルートです。最初から赤チャートに挑む場合は、高い基礎学力があることが前提となります。
共通テスト数学で選ぶべき色の種類

共通テスト対策には、形式に特化した緑チャートか、網羅性の高い黄チャートが適しています。
共通テストは時間制限が厳しく、独特の誘導形式に慣れる必要があります。
緑チャートと黄チャートの使い分け
緑チャートを選ぶべき人
- 【目的】
共通テストの形式に慣れたい、時間配分の練習をしたい。 - 【時期】
高校3年生の秋以降、基礎学習が終わった段階で使用するのが効果的です。
黄チャートを選ぶべき人
- 【目的】
共通テストに必要な数学的知識を網羅的に学習したい。 - 【理由】
共通テストは基礎〜標準レベルの問題で構成されているため、黄チャートの例題が解ければ十分に対応可能です。
共通テスト本番で時間内に問題を解ききり、効率よく高得点を狙うための具体的な時間配分と戦略をあわせて確認しておきましょう。
色別の中身と解説の詳しさの違い

難易度が上がるほど解説が簡潔になり、基礎レベルほど図解や導入が丁寧になる傾向があります。
中身の構成を知ることで、より自分に合った一冊が見えてきます。
網羅性と問題数の比較
問題数の多さ
- 【青チャート】
シリーズの中で最も問題数が多く、あらゆるパターンを網羅しています。 - 【白チャート】
問題数は絞られていますが、その分一つひとつの解説にページが割かれています。
網羅性の範囲
- 【赤チャート】
入試の難問までカバーしていますが、基礎的な問題は少なめです。
初学者向けの解説の丁寧さ
解説の詳しさ
- 【白チャート】
「なぜこの公式を使うのか」という導入部分が非常に丁寧です。 - 【青チャート】
ある程度の計算力があることを前提としているため、途中の計算式が省略される箇所があります。
「解説を読んでも理解できない」と感じる場合は、一つ下のレベルの色に下げることが、結果として学習効率を最大化させます。
チャート式で選んだ問題集をただ解くだけでなく、数学の成績を効果的に伸ばすための正しい復習のやり方をマスターしておきましょう。
数学を武器にして志望校合格を勝ち取るためには、正しい教材選びと、それを最後までやり遂げる徹底した指導が必要です。「独学ではなかなか先に進めない」「効率よく学力を伸ばしたい」とお考えの際は、お一人で悩まずにぜひご相談ください。
学研の家庭教師では、選んだ参考書を最大限に活かす指導法や、一人ひとりの理解度に合わせた柔軟な個別指導を行います。数学の「分からない」を「できる」に変え、自信を持って入試本番を迎えられるよう、私たちと一緒に確実な一歩を踏み出してみませんか?
まとめ
数学のチャート式選びで最も大切なのは、「今の自分の実力で、解説をスムーズに理解できるか」という視点です。
このように、目的とレベルに合わせて正しく色を選びましょう。1冊を完璧に仕上げることが、数学の偏差値を飛躍的に高める唯一の方法です。まずは書店で中身を確認し、自分が「これなら続けられそうだ」と思える一冊を手に取ってみてください。





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