愛知県名古屋市に位置する南山中学校は、学校法人南山学園が運営する私立の完全中高一貫校。
特徴として、男子部及び女子部に分かれて教育を行う「男女併学」を採用しています。
今回は、南山中学校の校風、偏差値レベル、入試情報、入学後にかかる費用などを詳しく解説していきます。
志望校選定の参考にしてみてください。
南山中学校の特徴

名称 | 南山中学校 |
所在地 | 〒466-0838 名古屋市昭和区五軒家町6番地(男子部)〒466-0833 名古屋市昭和区隼人町17番地(女子部) |
最寄り駅 | 地下鉄鶴舞線いりなか駅2番出口より徒歩約3分 |
設立 | 1932年(男子部)、1948年(女子部) |
課程 | 全日制 |
プール設置 | 無し |
上履き | 無し |
出身有名人 | 後藤楽々/元SKE48 |
南山中学校は、キリスト教精神に基づく理念として、「Hominis Dignitati/人間の尊厳のために」を掲げています。中高一貫の6年間を通じて会得していき、自分も他人も認め合い大切にする、優しく、賢く、自らの力で未来を切り拓いていく人を育てたいと考えています。
この教育理念は、幼稚園から大学まで、南山学園の設置校共通のものとなっています。
南山中学校の特徴について
南山中学校の教育システムとして、中学の3年間は基礎学力の定着を重視し、学習内容の確実な理解と、学習に積極的に取り組む自学自習の精神を育成することを目標としています。
目先の数字にとらわれないように成績順位は公表せず、弱点を作らずバランスよく学力を高めることを重視しています。高校入試がない利点を活かして、学問への興味関心を高める授業によって主体的に学ぶ意欲を育てていきます。
また、教科によっては高校の学習内容を取り入れた授業が行われます。
大きな特色として、教育理念の一つでもある国際的視野の育成のために英語教育に力を入れており、1クラスを2つに分けた少人数での英会話授業を中学3年まで続けています。
南山中学校の偏差値レベル

南山中学校の偏差値 | |
南山中学校女子部 | 64 |
南山中学校男子部 | 54 |
偏差値が近い学校 | |
東海中学校 | 63 |
滝中学校 | 62 |
南山中学校男子部は難関校ではありませんが、しっかりとした基礎固めをベースに基本~標準問題を徹底することが大変重要です。
南山中学校女子部は愛知県内トップクラスの難易度を誇るため、日頃からしっかりとした基礎固めをベースに基礎〜標準レベル以上の問題を徹底することが大変重要です。
南山中学校の入試対策

入学試験は傾向と対策も大事ですが、それ以上に考える力、それを支える幅広い知識と学力が大きな鍵となると言われています。
(男子部)
国語の傾向と対策について
試験時間は60分、200点満点です。
物語文と随筆文が交互に出題される傾向にあります。近年は物語文と説明文(論説文)が2題出題されています。また、漢字も単独問題になり得点源に繋げたいポイントです。
長い記述を要求される問題は少ないですが、語句補充の問題が多いため、正確に意味を取って読むことが求められます。
また、全体の傾向として、文章が長文化しているので、日頃から過去問や問題集など、時間を計りながら制限時間内に解答するスピード感を身につけましょう。
算数の傾向と対策について
試験時間は60分、200点満点です。
南山中学校の算数は、図形分野が多く、次に文章題、計算問題が多い傾向にあります。加えて、整数、割合、関数からの出題です。
比較的計算分野が多く、割合分野が少ないことが特徴的です。また、他校に比べて関数分野が多く出題されているのも特徴の1つです。
近年は比較的問題の難易度が上がっているため、日頃から計算の途中式や作図などを書く習慣を付けておくことが必要です。
文章題では「場合の数」「ツルカメ算」「食塩水」「平均算」が頻出です。図形分野では「図形の移動」「面積の問題」「角度」が多く出題されています。整数分野では「数列」「規則性」、関数分野では「区分関数」、割合分野では「割合の応用」が例年出題される傾向にあります。
出題傾向が比較的はっきりしているので、日頃から過去問や問題集などを使って、問題形式に慣れておきましょう。
理科の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
物理・地学・化学・生物・実験と幅広く出題される傾向にあります。他校と比べて、生物分野の出題が少なく、地学分野、実験分野の出題割合が多いことが特徴的です。
物理分野・地学分野を中心に、「てこ」「星の動き」など、難易度の高い問題も出題されるので、日頃から過去問を中心に問題集などを使って力を付ける必要があります。
社会の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
リード文や設問数が以前より増えており、単純な知識を問うだけの問題だけではなく、資料や統計を読み取る問題も出題されます。
設問形式について、概ね記号問題と用語問題が半分で記述問題2題程度であることが多いです。
地理・歴史において、漢字指定の問題もあるため、ケアレスミスには注意しましょう。また、南山中学校の社会はかなり時事問題が出題されるので、日頃からニュースを見るなど時事問題について把握しておきましょう。
(女子部)
国語の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
物語文(随筆文)は比較的読みやすいものが多いですが、説明文は難しい内容のものもあります。
近年は字数と記述量が増えたことにより、難易度も少し上がりました。
設問量は以前と比べて減少傾向にあり、1問に対する配点が高くなっているため白紙解答は避け、部活点からでも得点に繋げましょう。漢字や文法などではケアレスミスを無くし確実に解答できるようにしましょう。物語文は、長文化する傾向があるため、日頃から過去問や問題集など、時間を計りながら制限時間内に解答するスピード感を身につけましょう。
算数の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
南山中学校の算数は、図形分野が多く、次に文章題、計算問題が多い傾向にあります。加えて、整数、割合、関数からの出題です。
比較的計算分野が多く、割合分野が少ないことが特徴的です。また、他校に比べて関数分野が多く出題されているのも特徴の1つです。
近年は比較的問題の難易度が上がっているため、日頃から計算の途中式や作図などを書く習慣を付けておくことが必要です。
文章題では「場合の数」「ツルカメ算」「推理算」「平均算」が頻出です。図形分野では「円の問題」「作図」「角度」などが多く出題されています。整数分野では「分数の性質」「規則性」、割合分野では「比の応用」が例年出題される傾向にあります。
難問も若干数出題されますが、難問に時間をかけずそれ以外の問題を着実に解答し得点源に繋げましょう。
日頃から過去問や問題集などを使って、時間配分に気をつけて問題形式に慣れておく必要があります。
理科の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
物理・地学・化学・生物・総合分野と幅広く出題される傾向にあります。
化学分野では「溶解」「水溶液の性質」、物理分野では「てこ・バネ・滑車」「電流・電磁石」「電気回路」が頻出です。生物分野では「花のつくり」「昆虫」、地学分野では「星」「太陽と月」「天気・気温」が多く出題されます。また、近年では実験装置や昆虫・植物などの作図問題や統計資料から推測する問題が出題されているのため、日頃から過去問を中心に問題集などを使って、問題に慣れておく必要があります。
社会の傾向と対策について
試験時間は50分、200点満点です。
南山中学校の社会は、他の私立中学と比べると歴史分野からの出題割合は少ないのが特徴的です。
政治経済と国際社会では、政治経済からの出題が多い傾向にあります。地理・歴史・政治分野ともにまんべんなく出題されるため、基本をしっかりと学習しておく必要があります。また、原則漢字指定であるためケアレスミスにも注意しましょう。
地理分野では、世界の国々についての出題があることから、世界地理について要チェックです。産業では、水産業と工業、貿易関連をおさえておきましょう。歴史分野では、明治から昭和までの戦争史・経済史は必須です。地図や年表、歴史史料に関する問題もしっかりと確認しておきましょう。
日頃から過去問を中心に問題集などを使って、問題に慣れておく必要があります。また、時事ニュースに関しても日頃から確認するようにしましょう。
南山中学校の入学後にかかる費用について

学費の詳細について(あくまで目安としてお考えください。)
【男子部】
入学金 200,000円
入学時諸費用
育友会入会金 2,000円
生徒会入会金 200円
毎月納入費用
授業料 39,500円
育友会(PTA)費 1,500円
生徒会費 500円
【女子部】
入学金 200,000円
4月以降毎月納入費用
授業料 42,500円
育友会(PTA)費 1,500円
生徒会費 500円
中1 | 中2 | 中3 | 高1 | 高2 | 高3 | |
4月(学年費) | 80,000 | 80,000 | 60,000 | 70,000 | 65,000 | 60,000 |
7月(宿泊行事費) | 15,000 | 15,000 | 20,000 | 20,000 | 20,000 | 0 |
10月(宿泊行事費) | 15,000 | 15,000 | 20,000 | 20,000 | 20,000 | 0 |
1月(宿泊行事費) | 15,000 | 15,000 | 15,000 | 20,000 | 20,000 | 不足分集金 |
学年費:教材費、集合写真代、遠足・芸術鑑賞などの行事費、クラス費など
宿泊行事費:静修会(中1・中2)、長崎研修旅行(中3)、オリエンテーション合宿(高1)、沖縄研修旅行(高2)の費用
※1 中1のみ、4月は育友会入会金2,000円をご納入いただきます。
※2 中1および高1については、4月に生徒会入会金200円をご納入いただきます。
*学年費および宿泊行事費については2022年度の予定であり、今後金額が変更となる可能性があります。
※公式ページもご参照ください。
南山中学校の良い口コミと悪い口コミ

良い口コミ
(男子部)
放課後は図書館や空いているクラスなどで勉強している子がいる印象で、テスト期間外はみんな遊びや部活に打ち込んでいます。テストで規定点を下回ると補習があり、(平均の半分等決まりがある訳ではなく、その教科担当の先生が決めている)内容は先生によって変わりますが、再テストを合格するまで補講、というのが大抵です。合格するまでやってくれるので、しっかり身につくと思います。
文化部が特に多い印象です。PCクラブみたいなものもあります 特に力が入っているのはアメフト、ブラスバンド、野球が第1に挙がります その辺は休日も部活があって活気があります 日数に関しては基本的に文化部が週に2.3日くらいです 運動部は週5~6あるところが大半ですね。先輩との繋がりは部によって変わりますがアメフト、ブラバン等活気があるとこほど繋がりも強いです。
私服でいいのは相当楽です。ただしあまりに威圧的な服装等は禁止です。昔は半ズボン禁止でしたが近年の酷暑のあおりを受けて生徒会で議論された結果夏のみ半ズボンでの登校が許可されています。
(女子部)
夏休みなど長期休みに、主に成績が芳しくなかった生徒を対象とする補習があります。勉強でわからないところがあれば、気軽に職員室の先生方に聞きにいける雰囲気です。
部活は運動系、文化系合わせて40種類ほどあり、豊富です。棋道部(囲碁・将棋の部活)など大会で実績を残す部活もあります。部活によってはいったん部員募集を停止している場合もあります。
普段過ごしていて校則を意識することはありません。髪型・かばんは完全に自由です。「制服は着てね~」というくらいのレベルです。(笑)
制服は、白の開襟ブラウスに紺のジャンパースカート、紺のベルトです。ベルトには赤いステッチが入っています。現在はジャンパースカートのみですが、近いうちに希望する生徒に対してはスラックスの制服も導入される予定のようです。
医学部志望者が多く(国公立40名、私立を含めれば100名近い)、東大の合格者が少ないのがもったいないです。
悪い口コミ
ロコミを見て参考にすることは大事ですが、鵜呑みにするのはよくありません。子どもと学校の相性を確かめるには「学校行事を見に行く」「学校見学にいく」など、実際自分の目で見て感じることが大切です。
(男子部)
男子校なので好き放題な感じはあると思う。自由な感じはします。制服がないのでちょっと私服に気を使うと感じる。
自主性を重んじることが、自ら取り組む子はどんどん伸びるが、それができない子にとっては厳しいように感じるから。
(女子部)
人による、また 自分でやらなければいけないことが多い 先生は放任主義 基本 先生は干渉してこないので色々なところでトラブルが多い????????
入るのは大変。しかし、入学後は大した事ないと思った。日能研の方が教え方が上手いのは間違いないw当然だが先生によって全然違う。
引用:https://www.minkou.jp/junior/school/review/11079/
引用:https://www.minkou.jp/junior/school/review/88906/
まとめ
いかがだったでしょうか。南山中学校は部活動も活発で学習面へのサポートも手厚く、6年間の一貫した教育課程や学習環境の中で、多彩で豊かな教育内容の展開を通じて、個性や創造性の伸長を図ることができる、学びの深い学校と言えそうです。
受験を希望する際には、男女併学の中高一貫校という特徴を踏まえた上で総合的に検討されるのが良いかもしれません。