神奈川男子御三家の1校として非常に有名な進学校。
今回は、聖光学院中学校の校風、偏差値レベル、入試情報、入学後にかかる費用などを詳しく解説していきます。
志望校選定の参考にしてみてください。
聖光学院中学校の特徴

名称 | 聖光学院中学校 |
旧名称 | なし |
所在地 | 〒231-0837 横浜市中区滝之上100番地 |
最寄り駅 | JR根岸線山手駅徒歩8分 |
設立 | 1954年 |
課程 | 全日制 |
プール設置 | 無し |
上履き | 有り |
出身有名人 | 小田和正(ミュージシャン)、角澤照治(アナウンサー)、大西卓哉(宇宙飛行士) |
神奈川県の男子御三家の1つであるこの学校は、東大合格者数が県内トップを誇ります。特に2024年度には東大合格者が100名(現役86名)に達し、注目を集めました。カリキュラムを超えた体験型学習を提供する「聖光塾」など、生徒の主体的な思考力を育む教育を展開しています。
聖光学院中学校の特徴について
この学校の特徴は、通常の授業に加え、多彩なカリキュラムが組まれている点です。海外でのホームステイを通じて、早い段階から海外生活を体験する機会が用意されています。また、選択総合演習では、ファームステイや郷土芸能体験など、多様な活動に取り組むことができます。授業で使用される教材は、教員が独自に作成したオリジナル教材で、学びの定着を促進する工夫が施されています。すべての授業において、生徒がただ受け身で学ぶのではなく、自ら疑問を持ち、考える力を育むことを目的としています。また「聖光塾」といった体験型学習を提供しており、例えば「楽器がどうして鳴るのか」を音の物理の側面から研究する講座など、様々な体験学習を提供し、生徒の自主性を育んでおります。
聖光学院中学校の偏差値レベル

聖光学院中学校の偏差値 | |
聖光学院中学校 | 73 |
偏差値が近い学校 | |
栄光学園中学校 | 71 |
慶応義塾湘南藤沢中等部 | 69 |
神奈川県内では最難関クラスの中学校です。偏差値目安は73と非常に高く、偏差値が近い学校としては栄光学園中学校や慶應義塾湘南藤沢中等部、などの上位私立中学校が比較対象となります。
聖光学院中学校の入試対策

この学校の入試問題は、奇抜な設定や特異な内容はなく、4科目すべてが日々の学習の成果を反映しやすい形式となっています。ただし、求められる知識レベルは非常に高く、限られた時間内に多くの処理をこなす必要がある点が特徴です。
算数の傾向と対策について
2024年度第1回算数試験では、大問5題・小問17題の構成で、大問1は計算問題、大問2は平面図形と規則性の融合、大問3は立体図形の回転移動、大問4は速さと周期、大問5は新傾向のグラフ読み取り問題が出題されました。新傾向の大問5では割合計算を含むデータの読み取りが求められ、小問の一部は基本的な知識で対応できる内容でしたが、大問2や4は複数の単元を組み合わせた難問が多く、時間配分が得点の鍵となる構成でした。苦手な受験生は大問1で確実に得点し、解く順序を適切に判断しながら取り組むことが重要で、特に作図やグラフ問題は得点しやすいため重点的に対策すべきです。一方、得意な受験生は基本的な解法を速く正確に使いこなし、典型的な問題にひとひねり加えられたもの(例: 大問2、4)で得点を重ねる必要があり、普段から応用力を磨くことが求められます。また、新傾向問題が今後も増える可能性があるため、大問4までで適切に見切りをつけつつ、大問5のような問題に余裕を持って取り組めるよう時間配分を意識し、得点チャンスを活かす解き進め方を習得することが重要です。
国語の傾向と対策について
2024年度第1回国語試験は、漢字・語句知識の問題に加え、物語文と論説文の読解を含む4題構成で、難度の高い内容と文章量の多さから、制限時間60分では厳しい設定でした。物語文では、主人公の心情を深く読み取る力が求められ、論説文は哲学的テーマで語彙が高度でしたが、いずれも正確な読解が鍵となる選択肢問題が中心でした。記述問題も指示に従った精度の高い文章作成が必要で、普段の練習で深い理解力と記述力を鍛えることが重要です。合格者・受験者平均点は前年度より大幅に上昇しており、受験者層の読解力向上が見られる中、高水準の戦いが続くと予想されます。
理科の傾向と対策について
2024年度第1回理科試験は大問4題・小問32題構成で、基本的な知識問題から実験を伴う読解力が求められる問題まで幅広く出題されました。生物分野では「受粉」や「光合成」などの基礎問題、地学分野では人工衛星や地震観測、化学分野では「シュリーレン現象」を扱った実験問題、物理分野では「てこのつり合い」に関する問題が出題されました。特に化学分野では、複雑な実験内容をリード文とデータを正確に読み取る力が求められました。高得点の戦いとなるため、基本問題を素早く解き、慎重にデータを抽出する訓練が重要です。また、組み合わせ選択肢や計算問題ではスピードと正確性が求められます。過去問や応用問題を解きながら時間配分を意識し、読解力や解答の根拠を確認する練習が合格の鍵となります。
社会の傾向と対策について
2024年度第1回の社会試験は、大問4題・小問34題の構成で、地理・歴史の問題が独立して出題され、さらに公民分野と時事問題が絡む問題もありました。選択肢問題が圧倒的に多く、その中にはリード文や資料を活用し、思考力を求める問題も含まれています。時事問題や常識問題、例えば「グローバルサウス」や「エンゲル係数」などが出題され、社会のテキスト以外から得られる知識も必要です。記述問題はリード文に解答のヒントがあり、解きやすい内容となっていますが、高得点を狙うには練習が欠かせません。問題数が多いため、時間配分を意識し、スピーディーに解答を進めることが求められます。また、神奈川に関する問題が出題されることがあるため、過去問演習で確認しておくことが推奨されます。
聖光学院中学校の入学後にかかる費用について

初年度は約130万円前後の費用が必要となります。年間の学費に関しては50万円ほどですが、施設設備費等の費用も必要となりますので注意が必要です。
2024年度の初年度納入金は合計1,314,000円で、内訳は以下の通りです:
入学手続時納入金:250,000円(うち入学金:250,000円)
授業料(年額):492,000円
施設設備費(年額):314,000円
学則による納入金(年額):258,000円
その他の費用として、制服や積立金などが必要になる場合があります。これらの費用は学校によって異なることがあるので、注意が必要です。
聖光学院中学校の良い口コミと悪い口コミ

学習面や治安、課外活動など全てにおいて高評価の意見が多く、生徒視点・保護者視点どちらでも高い評価となっています。以下に口コミ例を記載いたします。
良い口コミ
「高校の先輩方とも関わることが多くあるが、差別などが全くと行っていいほど無い。英語でとても差がつくので、余裕があれば英会話をやっておくといいです。とても楽しいです。ぜひ来てください。口下手な私には、この学校の良さは語りきれません」
「愛と光に包まれた素敵な学校です。この上ありません。個々に進みたい道の中で最良の選択を学校が協力してくれます。仲間達との小さいグループが出来ることもあると思いますが、その小さいグループが「聖光祭」「体育祭」等の学校行事で大きなグループとなる団結力もあります。運営が生徒さんに任されている部分でも6年間でしっかりとしたリーダー達へ成長できる機会に恵まれています。」
という高い評価の意見が目立ちます。
悪い口コミ
「校舎は新しくて素晴らしいですし、進学実績も素晴らしいです。しかし、もしいじめにあったら誰も助けてはくれません。「塾いらず」として知られていますが、それは嘘です。大学受験では塾を利用したほうがよいでしょう。人によって違います。非常に楽しいか、または辛いかのどちらかで、その中間はほとんどみられません。(差は非常に大きいです。また、親友ができなければかなり辛い状況になるでしょう。)」
「東大と一橋の二校しか基本的には志望校を選択させない。東大予備校のようだ。東大に行きたい子供には良いかも。私はもう一度やり直せるなら受けさせないが。」
といった意見が寄せられていました。
このような口コミを参考にすることは大切ですが、それ以上に、自分たちの目で直接見て判断することが何より重要です。他人の意見や評価はあくまで一つの情報に過ぎません。実際に現地を訪れ、雰囲気や環境、先生方の対応などを自分の感覚で確かめることで、より納得のいく選択ができるはずです。
引用:https://www.minkou.jp/junior/school/review/8331/
まとめ
学習面・課外活動面どの点をとっても非常に評価の高い学校です。治安もよく、生徒の自主性を尊重しているため、自身の「やりたい」を積極的に実現できる学校であると思います。また進学実績も非常に高く、魅力的な学校であるといえます。しかし、高い人気から受験合格への道のりは非常に険しく、前もって入念な準備をしていく必要がある学校です。