「うちの子、算数の図形問題になると急に手が止まってしまう…」 「小4になってから、角度や面積の問題が全然わからないみたい」 「このまま算数嫌いになったらどうしよう…」
小学4年生のお子さんが算数の図形問題でつまずいている様子を見て、このように悩んでいる保護者の方は多いのではないでしょうか。
小4の算数では、角度や面積、直方体など、中学受験やその後の数学にもつながる重要な単元が登場します。ここで苦手意識を持ってしまうと、後々まで影響してしまう可能性も。
しかし、ご安心ください。小学生の図形苦手は、ご家庭での少しの工夫で克服できます。
この記事では、長年教育に携わってきた専門家の視点から、小学生が図形でつまずく根本的な原因を解き明かし、ご家庭で今日から実践できる具体的な勉強法や教え方のコツを徹底解説します。
お子さんの「わからない」を「わかった!」に変えるヒントが満載です。ぜひ最後までお読みいただき、親子で楽しく図形の苦手克服に取り組んでみてください。
小学生が図形でつまずく3つの原因

なぜ、多くの子どもたちが図形問題でつまずいてしまうのでしょうか。まずは、その背景にある3つの主な原因を理解することから始めましょう。原因がわかれば、的確な対策が見えてきます。
空間認識能力が追いついていない
頭の中で図形をイメージする力(空間認識能力)が、まだ発達途中であることが大きな原因の一つです。
大人は無意識に、平面の図を見て立体を想像したり、図形を回転させたり分解したりできます。しかし、多くの子どもにとって、これは非常に難しい作業です。
特に、展開図を組み立てて立体を想像したり、見取り図の見えない部分を推測したりする問題は、この空間認識能力が大きく影響します。能力が追いついていないだけなので、お子さんを責める必要は全くありません。トレーニングによって少しずつ伸ばしていくことが可能です。
図形の用語や定義を理解していない
「垂直」「平行」「対角線」「底辺」「高さ」といった専門用語の意味を、あいまいにしか理解していないケースも非常に多いです。
例えば、「台形の面積を求める公式は?」と聞かれて答えられても、「台形の『高さ』はどこのこと?」と聞かれると、斜めの辺を指してしまう子がいます。
用語や定義の理解が不十分なままでは、問題文が何を言っているのか正確に読み取れません。公式を正しく使うこともできず、応用問題に対応できなくなってしまいます。
公式を意味なく丸暗記している
面積や体積の公式を、意味を理解せずに呪文のように丸暗記していることも、つまずきの原因になります。
例えば、三角形の面積公式「底辺×高さ÷2」も、「なぜ÷2をするのか」を理解していなければ、少しひねった問題が出た途端に対応できません。(同じ三角形を2つ組み合わせると平行四辺形になるから、その半分、という理屈が大切です)
公式の丸暗記は、一見テストで点が取れるように思えますが、本質的な理解が伴っていないため、図形問題の面白さや奥深さに気づけず、算数嫌いにつながりやすいのです。
図形が苦手な子への家庭での勉強法

図形への苦手意識は、机の上だけの学習ではなかなか解消されません。大切なのは、日常生活の中で図形に触れ、楽しむ体験を増やすことです。ここでは、ご家庭で簡単にできる4つの勉強法をご紹介します。
身の回りの図形を探して親しむ
まずは、家の中や公園など、身の回りにある図形を探すゲームをしてみましょう。
このように、日常にあるものが図形でできていることに気づかせることが第一歩です。「図形は算数の時間にだけ出てくる特別なものじゃないんだ」とお子さんが感じることで、図形への心理的なハードルがぐっと下がります。
具体物を使って手を動かしながら学ぶ
図形の学習では、実際に手で触れて確かめる「体験」が何よりも重要です。
手を動かしながら学ぶことで、頭の中だけで考えていた図形のイメージが、具体的な形として理解できるようになります。
親子で作図して楽しむ
コンパスや分度器、三角定規を使って、親子で一緒にお絵かき感覚で作図を楽しみましょう。
最初は正しい使い方を教える必要がありますが、慣れてくればコンパスで綺麗な円をたくさん描いたり、分度器で測った角度で星形を描いたりと、遊びに発展させることができます。
作図の経験は、道具の正しい使い方をマスターできるだけでなく、図形の正確な形や性質を理解する上で非常に効果的です。
ポジティブな声かけでやる気を引き出す
お子さんが図形問題に取り組んでいる時、保護者の方の声かけは非常に重要です。
決して否定せず、つまずいている部分を一緒に見つけ、できた部分を具体的に褒めてあげましょう。 保護者の方が「楽しむ姿勢」を見せることが、お子さんの「やってみよう」という気持ちを引き出します。
小4算数・図形の単元別つまずき対策

小学4年生で習う図形の単元は、どれも今後の学習の土台となる重要なものばかりです。ここでは、特につまずきやすい4つの単元について、具体的な対策法を解説します。
角度の測り方と計算問題
つまずきポイント 分度器の中心や0度の線を合わせる場所がずれてしまい、正確に角度が測れない。2つの角度を足したり引いたりする計算問題で混乱する。
対策
いろいろな四角形の面積の求め方
つまずきポイント 長方形や正方形以外の、平行四辺形や台形、ひし形の面積公式を覚えられない。公式の「高さ」がどこを指すのかわからない。
対策
垂直・平行と四角形の関係
つまずきポイント 三角定規を2枚使って垂直な線や平行な線を引く操作がうまくできない。「向かい合う辺が平行」といった言葉と図形が結びつかない。
対策
直方体・立方体の展開図と見取り図
つまずきポイント 展開図を見て、どの面とどの面がくっつくのか想像できない。見取り図で、見えない辺(点線)を描くことができない。
対策
図形問題の解き方のコツ

テストや問題集に取り組む際に、少し意識するだけで正答率が上がる「解き方のコツ」があります。ぜひ、お子さんに教えてあげてください。
問題文の情報を図に書き込む
これは最も重要で、すぐに実践できるコツです。 問題文に書かれている辺の長さや角度の大きさなど、わかっている情報をすべて図の中に書き込ませましょう。
情報を図に集約することで、頭の中だけで考える負担が減り、問題の全体像が把握しやすくなります。「次に何を求めればいいか」という道筋が見えやすくなり、ケアレスミスも防げます。
簡単な図に描き直してみる
問題に載っている図が複雑でわかりにくい場合は、自分でフリーハンドで簡単な図に描き直してみるのも有効な方法です。
不要な線を省略したり、向きを変えたりして、自分がわかりやすいように図を整理することで、問題の本質が見えてくることがあります。完璧な図を描く必要はありません。ポイントがわかればOKです。
補助線を引く練習をする
複雑な図形の面積を求める問題などでは、1本の「補助線」を引くことで、見慣れた三角形や四角形に分割できることがよくあります。
最初はどこに引けばいいかわからないのが当たり前です。「ここに線を引いたら、知ってる形にならないかな?」とヒントを与えながら、親子で一緒に探す練習を重ねましょう。この試行錯誤が、図形的なセンスを養います。
わかっていることから順番に考える
答えを急いで、いきなり最終的なゴールを目指そうとすると混乱してしまいます。
「まず、この図を見て確実にわかることは何かな?」と問いかけ、わかっている角度や長さから、他にわかる部分がないか一つひとつ探していく思考のクセをつけましょう。パズルのピースを一つずつ埋めていくような感覚です。この地道な作業が、難しい問題を解くための確実な一歩となります。
苦手克服におすすめの教材・問題集

家庭学習をサポートしてくれる便利な教材やツールもたくさんあります。ここでは、目的別に厳選したおすすめをご紹介します。
基礎固めに最適な市販ドリル3選
無料で使える練習問題プリントサイト
空間認識能力を養う知育玩具・ブロック
ゲーム感覚で取り組める学習アプリ
図形の苦手に関するよくある質問

最後に、保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
いつから対策を始めるべき?
「苦手かも?」とお子さんや保護者の方が感じ始めた時が、対策を始めるベストなタイミングです。
小4でつまずいている場合、その原因は小2や小3で習った「三角形と四角形」「円と球」などの理解が不十分なことにあるかもしれません。
理想は、低学年のうちから折り紙や積み木などで遊び、図形に親しんでおくことです。しかし、何年生からでも遅すぎることはありません。焦らず、お子さんのペースに合わせて簡単なところから復習を始めましょう。
塾や通信教育は利用した方がいい?
ご家庭での学習に行き詰まりを感じたり、中学受験を検討していたりする場合は、塾や通信教育の利用も有効な選択肢です。
まずは家庭学習を試してみて、それでも改善が見られない場合や、より専門的な指導が必要だと感じた場合に検討するのが良いでしょう。
図形が得意になるとどんなメリットがある?
図形問題が得意になるメリットは、算数のテストの点数が上がることだけではありません。
図形を学ぶことは、将来を生き抜くための「考える力」そのものを育むことにつながるのです。
まとめ
今回は、小学4年生のお子さんが算数の図形でつまずく原因と、ご家庭でできる苦手克服法について解説しました。
最後に、大切なポイントをもう一度振り返ります。
図形の苦手は、一朝一夕に克服できるものではありません。しかし、保護者の方が少しだけ見方を変え、お子さんと一緒に楽しむ姿勢を持つことで、必ず乗り越えることができます。
この記事が、お子さんの「わかった!」という笑顔と自信につながるきっかけとなれば幸いです。




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