「子どもの中学受験、どうせならトップを目指したい」 「サピックスのアルファクラスって、どうすれば入れるの?」
難関中学受験塾として名高いサピックス(SAPIX)。その中でも、成績上位者だけが在籍を許される「α(アルファ)クラス」は、多くのサピックス生と保護者にとって憧れの存在です。
しかし、アルファクラスに入るための具体的な基準や勉強法については、意外と知られていないことも多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、サピックスのアルファクラスを目指すお子様と保護者の皆様のために、以下の点を詳しく解説します。
- ・アルファクラスの仕組みと基準(偏差値・順位)
- ・アルファに入るための学年別・教科別勉強法
- ・アルファ生に必要な勉強時間の目安
- ・気になるアルファクラスの進学先実績
この記事を読めば、アルファクラスに入るための道筋が明確になり、日々の学習計画に自信を持って取り組めるようになります。ぜひ最後までご覧いただき、お子様の夢を叶えるための第一歩を踏み出してください。
サピックス全体の仕組みや授業スタイルを押さえておくと、アルファクラスを目指す際の理解が一層深まります。
サピックスのαクラスとは?クラス分けの仕組み

まず、サピックスのクラス構造の基本と、αクラスがどのような位置づけなのかを理解しておきましょう。
αクラスとアルファベットクラスの違い
サピックスのクラスは、成績順に大きく2つに分かれています。
- ・α(アルファ)クラス: 成績上位者のみが在籍できる選抜クラスです。校舎の規模によってα1、α2、α3…と複数のクラスが設置され、α1が最上位となります。
- ・アルファベットクラス: αクラスに次ぐ成績順のクラスで、A、B、C…と続きます。
つまり、αクラスはサピックス内での学力トップ層が集まるクラスであり、難関中学校への合格に最も近い場所と言えるでしょう。
クラス分けが決まるテストの種類と頻度
クラス分けは、定期的に実施されるテストの成績によって決まります。特に重要なのは以下のテストです。
- ・組分けテスト: 年に3回(3月・7月・1月)実施される、最も重要なクラス分けテストです。出題範囲が広く、総合的な学力が問われます。
- ・マンスリー確認テスト: 毎月実施され、直近1ヶ月の学習内容の定着度を測るテストです。組分けテストほど大きなクラス変動はありませんが、昇降の判断材料になります。
- ・復習テスト: 夏期講習などの長期休暇後に行われ、講習内容の理解度を確認するテストです。
これらのテスト結果を総合的に判断して、次のクラスが決定します。特に大規模なクラス替えが行われるのは「組分けテスト」の後です。
組分け・マンスリーで結果を安定させるには、出題傾向に沿った準備と直後の振り返りの型づくりが鍵です。
校舎規模によるαクラス数の違い
αクラスの数は、在籍生徒数、つまり校舎の規模によって異なります。
- ・大規模校舎(自由が丘校、東京校、吉祥寺校など): 生徒数が多いため、αクラスもα1、α2、α3…と複数設置されています。
- ・中小規模校舎: αクラスが1つだけであったり、校舎によってはαクラスが設置されていない場合もあります。
まずはお子様が通う校舎のクラス構成を確認し、目標設定をすることが大切です。
サピックスαクラスに入るための偏差値・順位の基準

では、具体的にどれくらいの成績を取ればアルファクラスに入れるのでしょうか。ここでは、多くの中学受験情報サイトや合格体験記で語られている目安をご紹介します。
全体順位の目安は上位10%以内
アルファクラスに入るための最も分かりやすい目安は、組分けテストの全体順位で上位10%以内に入ることです。
例えば、テストの受験者総数が6,000人だった場合、600位以内が一つのボーダーラインとなります。最上位のα1を目指すのであれば、さらにその中でもトップクラスの成績、おおむね上位1〜2%(60位〜120位)に入る必要があります。
偏差値の目安は60以上
順位と並行して指標となるのが偏差値です。アルファクラスのボーダーラインは、偏差値でおおむね60以上が目安とされています。
ただし、これはテストの平均点によって毎回変動します。非常に難しいテストで平均点が低ければ、偏差値58程度でもアルファクラスに入れることもあります。
安定してアルファクラスを維持、あるいはα1を目指すのであれば、常に偏差値63〜65以上を目標にすると良いでしょう。
入室テストでアルファに入るための基準
これからサピックスへの入室を検討している場合、入室テストでアルファクラスに入ることも可能です。特に新4年生の最初の入室テストは、その後の学習の弾みをつける絶好の機会です。
入室テストでアルファクラスに入るには、特に算数で高得点を取ることが重要と言われています。基礎的な計算力はもちろん、少しひねりのある応用問題に対応できる力を見られます。
ただし、入室テストはあくまでスタート地点です。入室後に学習習慣をつけ、毎回のテストで結果を出し続けることが何よりも大切です。
学年別の基準値の違いを比較
学年が上がるにつれて学習内容は高度になり、生徒間の学力差も開いていきます。そのため、アルファクラスに入るための難易度も変化します。
- ・4年生: まだ学習内容が基礎的なため、クラスの変動が比較的大きい時期です。努力次第でアルファクラスに上がりやすいチャンスの多い学年と言えます。
- ・5年生: 学習範囲が広がり、内容も一気に難しくなります。この時期にアルファクラスを維持できるかどうかが、難関校合格への大きな分かれ道となります。
- ・6年生: 上位層の顔ぶれがほぼ固定化され、クラスアップは非常に難しくなります。通常クラスからアルファクラスを目指すには、並大抵ではない努力が必要です。
アルファクラスに入るための基準を知った今こそ、効率的に対策を始めることが大切です。特に算数や国語でのつまずきは一人では解決しにくいもの。学研の家庭教師なら、サピックスのカリキュラムやテストに精通した講師が、お子さまの弱点をピンポイントで補強し、合格ライン突破をサポートします。
基準を確認したあとは、日々の復習サイクルと弱点補強で“クラスを上げるための手順”を整えましょう。
学年別!サピックスαクラスに入るための教科別勉強法

アルファクラスに入るためには、やみくもに勉強するのではなく、学年と教科の特性に合わせた戦略的な学習が不可欠です。
【4年生】学習習慣の土台を作る勉強法
4年生で最も重要なのは、サピックスの学習サイクルに慣れ、正しい学習習慣を確立することです。この時期に勉強の「型」を作ることが、5年生以降の飛躍につながります。
算数:デイリーサピックスの復習徹底
- ・「デイリーサピックス」の復習を徹底する: 授業で習った内容は、可能な限りその日のうちに復習しましょう。特に、授業で扱った問題の解き直しは必須です。
- ・「基礎力トレーニング」を毎日欠かさない: 計算力は算数の土台です。「基礎トレ」を毎朝の習慣にするなど、コツコツ継続することが大切です。
- ・間違えた問題の分析: なぜ間違えたのか、どこでつまずいたのかを親子で一緒に確認し、理解できるまで解き直しましょう。
国語:語彙力と言葉ナビの活用
- ・「言葉ナビ」で語彙を増やす: 国語力の基礎となる語彙・慣用句・ことわざを、「言葉ナビ」を使って毎日少しずつ覚えていきましょう。
- ・読書習慣を身につける: 様々なジャンルの本に触れることで、読解力や背景知識が自然と養われます。
4年は“型作り”の徹底が最優先。復習リズムと基礎トレの定着に特化した進め方はこちら。
【5年生】応用力が問われる時期の対策
5年生は、学習内容が飛躍的に難しくなり、本当の意味での応用力や思考力が問われる学年です。知識のインプットとアウトプットのバランスが重要になります。
算数:思考力問題へのアプローチ方法
- ・応用問題(C問題以上)への挑戦: デイリーサピックスの応用問題にも積極的に取り組みましょう。すぐに答えを見るのではなく、粘り強く自分で考える時間を与えることが思考力を鍛えます。
- ・解法を複数考える: 一つの問題に対して、別のアプローチがないか考えてみることも、応用力を高める良いトレーニングになります。
理科・社会:コアプラスでの知識定着
- ・「コアプラス」を徹底的に繰り返す: 理科・社会の知識の根幹となる教材が「コアプラス」です。単なる丸暗記ではなく、図や年表と関連付けながら、知識を体系的に整理していくことが重要です。
- ・授業中のメモを活用する: 先生が話す豆知識や背景説明は、知識を深く理解し、記憶に定着させるためのヒントになります。
5年は“応用への橋渡し”。C問題へのアプローチや理社の知識定着を加速させる工夫をまとめています。
【6年生】志望校対策と両立する勉強法
6年生は、平常授業の復習によるクラス維持と、志望校対策を高いレベルで両立させる必要があります。限られた時間の中で、何を優先すべきかを見極める力が求められます。
算数:過去問演習と弱点分野の克服
- ・過去問演習を本格化させる: SS特訓(サンデーサピックス)や土曜志望校別特訓で扱う志望校の過去問に真剣に取り組みましょう。時間配分や捨て問の見極めなど、実戦的なスキルを磨きます。
- ・弱点分野を徹底的に潰す: これまでのテスト結果を分析し、自分の弱点分野をリストアップします。その分野の問題を集中的に解き、完璧に理解することが得点力アップに直結します。
国語:記述問題の添削と解き直し
- ・記述問題は積極的に添削を受ける: サピックスの先生による添削は、自分の解答のどこが評価され、何が足りないのかを知る絶好の機会です。添削された答案は、必ず見直し、書き直す(リライトする)練習をしましょう。
- ・時間内に書き切る練習: 実際の試験時間を意識し、時間内に設問の要求を満たす解答をまとめる訓練を繰り返します。
6年は“取捨選択と実戦”。過去問の設計と弱点潰しを同時進行するための具体策はこちら。
サピックスαクラス維持に必要な勉強時間の目安

アルファクラスに入り、それを維持するためには、相応の学習時間が必要です。もちろん個人差はありますが、一般的な目安は以下の通りです。
4年生の勉強時間:平日2時間・休日3時間
学校の宿題とは別に、平日2時間、休日3時間程度が目安です。まずは机に向かう習慣をつけ、サピックスの復習をこなすことを目標とします。
5年生の勉強時間:平日3時間・休日5時間
学習量が一気に増えるため、平日でも3時間、休日は5時間程度の勉強時間が必要になります。限られた時間で効率よく学習を進めるため、親子で一週間の学習計画を立てることが重要です。
6年生の勉強時間:平日4時間・休日8時間以上
受験学年になると、勉強時間はさらに増えます。平日4時間、休日はSS特訓なども含めると8時間以上の学習も珍しくありません。体調管理に気を配りながら、合格に向けてラストスパートをかける時期です。
サピックスαクラスの進学先実績

アルファクラスを目指す大きなモチベーションの一つが、その輝かしい進学実績です。αクラス、特に最上位のα1に在籍する生徒は、最難関と呼ばれる中学校に合格していきます。
(参考:SAPIX小学部 最新年度中学入試合格実績 https://www.sapix.co.jp/success/)
α1クラスの主な進学先
α1クラスの生徒の多くは、男女御三家をはじめとする最難関中学校に進学します。
- 開成
- 筑波大学附属駒場(筑駒)
- 麻布
- 桜蔭
- 女子学院
- 雙葉
α2・α3クラスの主な進学先
α1に次ぐα2やα3クラスからも、多くの生徒が難関中学校へ進学しています。
- 駒場東邦
- 海城
- 早稲田
- 慶應義塾普通部
- 豊島岡女子学園
- 渋谷教育学園幕張
筑駒・開成・桜蔭への合格者実績
サピックス全体の実績を見ても、その圧倒的な合格力が分かります。2024年度入試では、以下のような驚異的な実績を上げています。
- ・開成中学校: 256名
- ・筑波大学附属駒場中学校: 90名
- ・桜蔭中学校: 177名
これらの合格者の多くは、各校舎のαクラスに在籍していた生徒たちです。アルファクラスの環境が、いかに高いレベルにあるかがうかがえます。
アルファクラスに関するよくある質問

最後に、保護者の皆様からよく寄せられる質問にお答えします。
Q. いつから対策を始めるべき?
A. 理想は、サピックスに入室する新4年生の時点からアルファクラスを意識することです。 低学年のうちは、特定の対策よりも、計算練習や漢字の書き取り、読書といった学習の基礎体力を養っておくことが、後の伸びにつながります。本格的な対策は、サピックスのカリキュラムに沿って進めるのが最も効率的です。
Q. 通常クラスからアルファに上がるには?
A. 最も確実な方法は、範囲の広い「組分けテスト」で結果を出すことです。 そのためには、日々の授業の復習を徹底し、苦手分野を作らないことが大前提です。特に、配点が高く差がつきやすい算数の成績を上げることが、クラスアップの鍵となります。間違えた問題を放置せず、完璧に解き直す習慣をつけましょう。
Q. 親はどのようにサポートすれば良い?
A. 保護者の役割は、学習の「伴走者」となることです。 具体的には、以下のようなサポートが考えられます。
- ・学習スケジュールの管理: 無理のない計画を一緒に立て、進捗を確認する。
- ・教材の整理: 膨大な量のプリントや教材を、教科別・日付別に整理し、復習しやすい環境を整える。
- ・体調・メンタル面のケア: 十分な睡眠時間を確保し、栄養バランスの取れた食事を心がける。テストの結果に一喜一憂せず、お子様の努力そのものを認め、励ます姿勢が何よりも大切です。
Q. α1とそれ以外のαクラスの違いは?
A. 最も大きな違いは、在籍する生徒の学力層と、目標とする学校のレベルです。 α1は、サピックス全体でもトップレベルの生徒が集まり、筑駒、開成、桜蔭といった最難関校を第一志望とする生徒がほとんどです。そのため、授業で扱う問題の難易度や解説のスピードも、他のαクラスとは一線を画します。クラスが上がるほど、より高いレベルでの切磋琢磨が求められます。
まとめ
サピックスのアルファクラスは、確かに狭き門です。しかし、その扉は正しい努力を継続した者に開かれます。
この記事で解説したポイントを、最後にもう一度確認しましょう。
- ・基準を把握する: 偏差値60以上、全体順位10%以内が目安。
- ・学習習慣を確立する: 特に4年生のうちに、復習中心の正しい勉強の「型」を作る。
- ・学年に合った対策を立てる: 4年は基礎、5年は応用、6年は志望校対策と、時期に応じた戦略を立てる。
- ・親は伴走者になる: スケジュール管理とメンタルケアで、お子様を支える。
アルファクラスに入ることは、ゴールではありません。あくまで、お子様が第一志望校に合格するためのステップの一つです。
今回ご紹介した内容を参考に、ぜひ親子で力を合わせ、計画的に学習を進めていってください。お子様の努力が実を結び、憧れのアルファクラスで学ぶ日が来ることを心から応援しています。




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