「今回のマンスリーテスト、結果はどうだったかな…」 「この点数だと、クラスは上がる?それとも下がる?」
サピックスにお子さんを通わせる保護者の方なら、マンスリーテストの結果が出るたびに、クラス分けの基準が気になって落ち着かない気持ちになることも多いのではないでしょうか。特に、最上位のα(アルファ)クラスを目指している場合はなおさらです。
この記事では、サピックスのクラス分けの仕組み、特にマンスリーテストの結果がどのようにクラスに反映されるのかを、元となる「コース基準表」の具体例を交えながら分かりやすく解説します。
この記事を読めば、クラス分けの基準が明確になり、お子さんの現在の立ち位置を客観的に把握して、次のテストに向けた具体的な目標設定やサポートができるようになります。
そもそもサピックスがどんな塾なのか、全体像を把握しておくことも基準理解の第一歩です。
【サピックス】クラス分けの仕組み

まずは、サピックスのクラス分けがどのような仕組みで行われているのか、基本的な3つのポイントを見ていきましょう。
マンスリーテストの結果でクラスが昇降
サピックスのクラス分けは、原則として毎月実施される「マンスリー確認テスト」や「組分けテスト」の結果によって決まります。これらのテストの成績が、次の1ヶ月間の所属クラスに直接反映される仕組みです。
つまり、テストで良い成績を収めればクラスが上がり、そうでなければクラスが下がる可能性がある、という非常にシンプルなシステムです。日々の学習の成果が、毎月クラスという形で可視化されるのがサピックスの大きな特徴と言えるでしょう。
クラスの種類と階層構造(α・アルファベット)
サピックスのクラスは、大きく分けて2種類あります。
- ・α(アルファ)クラス: 成績上位者層が所属するクラスです。校舎の規模によってクラス数は異なりますが、成績順に「α1」「α2」「α3」…と階層化されています。α1がその校舎のトップクラスとなります。
- ・アルファベットクラス: αクラス以外の生徒が所属するクラスです。こちらも成績順に「A」「B」「C」…と階層化されていますが、校舎によっては「H」や「G」が最上位になるなど、アルファベットの順番が逆になることもあります。
このαクラスとアルファベットクラスの間には、明確な学力差の壁があるとされています。多くのご家庭が、まずαクラスに入ることを最初の目標にしています。
実際にアルファクラスに入るには、どのような基準や勉強法が求められるのかも気になるところです。
校舎規模で異なるクラス数と基準点
サピックスのクラス編成は、全校舎で統一されているわけではありません。生徒数が多い大規模校舎と、生徒数が少ない小規模校舎では、クラスの数やクラス分けの基準点が異なります。
例えば、大規模校舎ではαクラスが5クラス以上設置されることもありますが、小規模校舎では1〜2クラス、あるいはαクラス自体がない場合もあります。
そのため、同じテストで同じ点数を取ったとしても、所属する校舎によってクラスが変わることがあります。ご自身の校舎のクラス数やレベル感を把握しておくことも大切です。
【サピックス】クラス分け基準となる「コース基準表」

マンスリーテストの結果が出ると、保護者専用サイト「サピックスマイページ」で成績と一緒に「コース基準表」が発表されます。これこそが、クラス分けのすべてが書かれた最も重要な資料です。
コース基準表の見方と偏差値の重要性
「コース基準表」とは、テストの合計点(素点)に応じて、どのコース(クラス)に振り分けられるかを示した一覧表です。
例えば、以下のように記載されています。
- ・α1コース: 435点 ~ 500点
- ・α2コース: 418点 ~ 434点
- ・Gコース: 395点 ~ 417点
この表を見れば、お子さんの点数がどのクラスの範囲に入っているかが一目瞭然です。
ここで気になるのが「偏差値」との関係です。クラス分けは最終的に合計点で決まりますが、この基準点自体は、テスト全体の成績分布(平均点や標準偏差)から算出される偏差値を元に設定されています。
偏差値は、受験者全体の中での相対的な位置を示す客観的な指標です。そのため、コース基準表の点数と合わせて偏差値を確認することで、「あとどのくらいの位置にいけばクラスが上がるのか」をより正確に把握できます。
【4年生】コース基準表の具体例と平均点
特に気になる4年生のコース基準はどのようになっているのでしょうか。あくまで一例ですが、過去のマンスリーテスト(4科目500点満点)の基準を見てみましょう。
【4年生 マンスリーテスト コース基準の一例】
| コース | 基準点(4科目/500点満点) |
|---|---|
| α1 | 425点~ |
| α2 | 410点~ |
| α3 | 398点~ |
| H | 380点~ |
| G | 365点~ |
| F | 350点~ |
※この回の4科目の平均点は約320点でした。
重要なのは、テストの難易度によって平均点や基準点は毎回変動するということです。上記の点数はあくまで参考値として捉え、毎回発表されるコース基準表を必ず確認するようにしてください。
【5年生】コース基準表の具体例と平均点
学年が上がり、学習内容が難しくなる5年生ではどうでしょうか。こちらも過去のマンスリーテスト(4科目500点満点)の一例です。
【5年生 マンスリーテスト コース基準の一例】
| コース | 基準点(4科目/500点満点) |
|---|---|
| α1 | 405点~ |
| α2 | 388点~ |
| α3 | 372点~ |
| K | 355点~ |
| J | 340点~ |
| I | 325点~ |
※この回の4科目の平均点は約290点でした。
5年生になると問題の難易度が上がるため、4年生の時と同じ感覚で点数を見ていると「点数が下がった」と感じるかもしれません。しかし、大切なのは平均点との差や、全体の中での順位(偏差値)です。点数だけを見て一喜一憂しないようにしましょう。
コース基準表の入手方法と発表タイミング
コース基準表は、テスト実施後の数日後(通常は火曜日の午後など)に、サピックスのマイページ上で成績速報と同時に公開されます。
テスト結果が気になる気持ちは分かりますが、正式な発表を待って、正確な情報でクラスを確認しましょう。
また、テスト結果を踏まえて、次につなげるための具体的な学習ポイントを知ることが、クラスアップの近道になります。
【サピックス】αクラス(アルファ)に入るための基準

サピックスで上位校を目指す上で、多くの方が目標にするのが「αクラス」です。どうすればαクラスに入れるのでしょうか。
αクラスの基準偏差値の目安
αクラスに入るための明確な偏差値が公表されているわけではありませんが、一般的には偏差値60以上が一つの目安とされています。
ただし、これもテストの平均点や受験者層、そして校舎の規模によって変動します。大規模校舎でαクラスの数が多い場合は、偏差値58前後でもαクラスに入れることがあります。
まずは偏差値60を目標に学習を進めるのが、αクラスへの近道と言えるでしょう。
アルファベット上位からαクラスへの昇格
現在アルファベットクラスにいる場合、目標は「αクラス昇格」です。そのためには、αクラスの一番下のクラス(例:α4やα5)の基準点をクリアする必要があります。
コース基準表を見て、「あと何点あればαクラスだったのか」を具体的に把握することが重要です。例えば、「あと10点」なのであれば、どの科目でその10点を上乗せするか、具体的な失点分析と対策を立てることができます。
苦手な大問を一つ克服する、ケアレスミスをなくすといった地道な努力が、αクラスへの道を切り拓きます。
α1クラスの人数と進学実績
α1は、各校舎のトップ層が集まる特別なクラスです。人数は校舎の規模にもよりますが、15名~20名程度で編成されるのが一般的です。
α1に在籍する生徒の多くは、開成、麻布、桜蔭といった最難関中学校(御三家)を目指しており、進学実績も非常に高い傾向にあります。まさに、サピックスの中でも精鋭中の精鋭が集まるクラスと言えるでしょう。
クラスアップの鍵を握るのは、やはり日々の積み重ねです。効率よく点数を伸ばすための学習法を押さえておくと安心です。
【サピックス】学年別マンスリーテストのポイント

クラス分けの基準となるマンスリーテストは、学年ごとに特徴や対策のポイントが異なります。
4年生のマンスリーテストの特徴と対策
4年生のマンスリーテストは、授業で習った範囲から素直な問題が多く出題されるのが特徴です。応用問題よりも、基本的な知識や解法が身についているかを問われます。
したがって、対策として最も重要なのは日々の授業の復習を徹底することです。
- ・デイリーサピックス: その日の授業内容を確実に理解し、定着させる。
- ・基礎力トレーニング: 計算や漢字などの基礎を毎日コツコツ積み重ねる。
この時期に学習習慣をしっかりと確立することが、今後の成績を大きく左右します。
5年生のマンスリーテストの特徴と対策
5年生になると、学習内容の難易度が格段に上がり、量も増えます。マンスリーテストも単なる知識の確認だけでなく、思考力や応用力が問われる問題が増加します。
苦手分野を放置しないことが何よりも重要です。分からない問題があれば、先生に質問したり、質問教室を活用したりして、その週のうちに解決する習慣をつけましょう。復習の質とスピードが、5年生の成績アップの鍵を握ります。
夏期講習後のマンスリーテストの重要性
特に夏期講習後の8月(または9月)のマンスリーテストは非常に重要です。夏休み中の学習成果が総合的に問われるため、このテストの結果が後期のクラスを決定づける大きな要因となります。
特に4年生にとっては、初めての本格的な長期休暇の学習成果が試される場です。ここで良いスタートを切ることで、受験勉強へのモチベーションも大きく高まるでしょう。
【サピックス】クラス分けに関するQ&A

最後に、保護者の方からよく寄せられるクラス分けに関する質問にお答えします。
クラス分けシミュレーターは存在する?
いいえ、サピックス公式のクラス分けシミュレーターは存在しません。
インターネット上には、有志が作成した非公式のシミュレーターや過去のデータが見られることがありますが、前述の通り、基準点は毎回変動するため、その正確性は保証されません。あくまで参考程度に留め、必ずマイページで発表される正式なコース基準表を確認してください。
平均点を下回ると必ずクラスは下がる?
いいえ、平均点を下回ったからといって、必ずしもクラスが下がるわけではありません。
クラスの昇降は、自分の点数だけでなく、校舎内での相対的な順位によって決まります。全体の平均点が低い難しいテストであれば、平均点を多少下回っても、順位的にはそれほど悪くなく、クラスを維持できるケースも多々あります。
復習テストや確認テストは影響する?
いいえ、日々の授業で行われる復習テストや確認テストの結果は、原則としてクラス分けには直接影響しません。
クラス分けの対象となるのは、あくまで「マンスリー確認テスト」と「組分けテスト」です。ただし、これらの小テストは学習の定着度を測る重要な指標です。小テストで高得点を取れるように復習を重ねることが、結果的にマンスリーテストの成績向上に繋がります。
クラス分けの仕組みを理解したうえで大切なのは、テストを通じて見つかった弱点を計画的に克服していくことです。学研の家庭教師なら、サピックスのカリキュラムを熟知した講師が、日々の復習や苦手補強をマンツーマンで支えます。効率よく力を伸ばす環境を整えたい方におすすめです。
まとめ
サピックスのクラス分けの仕組みと基準について解説しました。
- ・クラス分けは、主にマンスリーテストの合計点(素点)で決まる。
- ・具体的な基準は、テスト後に発表される「コース基準表」で確認できる。
- ・αクラスの目安は偏差値60以上だが、テストや校舎によって変動する。
- ・クラス昇降に一喜一憂しすぎず、テスト結果を分析し、次の学習に活かすことが最も重要。
クラス分けは、お子さんのモチベーションに大きく影響します。しかし、大切なのは目先のクラス昇降だけではありません。テストを通じて苦手分野を発見し、それを克服していくプロセスこそが、本当の学力を育てます。
今回の記事で得た知識をもとに、お子さんの現在の立ち位置を冷静に把握し、長期的な視点でサポートしてあげてください。






-34-320x180.jpg)

-34.jpg)
-36.jpg)