「鳥取大学医学部って、国公立医学部の中では狙い目って聞くけど本当?」「合格するにはどれくらいの学力が必要なんだろう…」
国公立大学の医学部を目指す受験生にとって、志望校の難易度を正確に把握することは非常に重要です。特に、鳥取大学医学部は地方国公立大学の一つとして、多くの受験生が候補に挙げる大学ではないでしょうか。
この記事では、鳥取大学医学部を目指すあなたが知りたい情報を徹底的に解説します。
- ・最新の偏差値や共通テストのボーダーライン
- ・全国の国公立医学部との難易度比較
- ・二次試験の科目別傾向と具体的な対策
- ・合格者の最低点や倍率の推移
これらの情報を基に、鳥取大学医学部のリアルな難易度を理解し、あなたの志望校選びや受験戦略に役立ててください。
【鳥取大学医学部】偏差値とボーダー

まず、鳥取大学医学部の難易度を客観的な数値で見ていきましょう。ここでは、大手予備校が公表している最新の偏差値と、合格の目安となる共通テストのボーダー得点率を紹介します。
河合塾・駿台の最新偏差値
予備校が公表している鳥取大学医学部医学科の偏差値は以下の通りです。
- ・河合塾: 65.0
- ・駿台: 65.0
(参考:河合塾 医進塾、駿台大学入試情報)
偏差値65.0は、国公立大学の医学部の中では比較的低いグループに位置します。 しかし、これはあくまで医学部内での比較です。全学部を含めた大学受験全体で見れば、非常に高い学力が求められる難関であることに変わりはありません。
共通テストのボーダー得点率
鳥取大学医学部に合格するためには、大学入学共通テストで高得点を取ることが第一関門となります。
大手予備校が示す共通テストのボーダー得点率は約80%です。 共通テストは900点満点なので、具体的な目標点数は720点となります。
ただし、このボーダー得点率はあくまで合格可能性が50%となるラインの目安です。鳥取大学は二次試験の配点も高いため、共通テストの結果がボーダーに届かなくても、二次試験で挽回して合格する受験生もいます。逆に、共通テストで高得点を取れれば、二次試験を有利に進めることができます。
共通テストの足切りラインと過去実績
「共通テストの点数が低いと、二次試験さえ受けられないのでは?」と不安に思う方もいるかもしれません。これが、いわゆる第一段階選抜(足切り)です。
鳥取大学医学部では、前期日程の志願者数が募集人員の約3倍を超えた場合に、共通テストの成績によって第一段階選抜を実施する可能性があります。
しかし、近年、鳥取大学医学部の前期日程で第一段階選抜が実施された実績はありません。 そのため、過度に足切りを心配する必要は低いと言えますが、油断は禁物です。志願者数が急増する可能性もゼロではないため、まずは共通テストで目標点をしっかり取ることに集中しましょう。
【鳥取大学医学部】全国の国公立医学部との難易度比較

鳥取大学医学部の全国的な立ち位置を把握するために、他の国公立大学医学部と比較してみましょう。
国公立大学医学部偏差値ランキング
以下は、河合塾のデータを基にした国公立大学医学部の偏差値ランキングの一部です。鳥取大学がどのあたりに位置するのか確認してみてください。
偏差値 | 主な大学名 |
---|---|
72.5 | 東京大学、京都大学 |
70.0 | 大阪大学、東京医科歯科大学、九州大学 |
67.5 | 北海道大学、東北大学、名古屋大学、神戸大学、千葉大学、横浜市立大学など |
65.0 | 鳥取大学、旭川医科大学、弘前大学、秋田大学、山形大学、島根大学、徳島大学、香川大学、高知大学、佐賀大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学など |
62.5 | – |
表からも分かる通り、鳥取大学医学部の偏差値65.0は、国公立大学医学部の中では下位のグループに入ります。 そのため、「地方国公立医学部の中でも比較的狙い目」と言われることがあります。
「『比較的狙いやすい医学部』については、他大学も含めてまとめた記事がありますので参考にしてください。
近隣・同レベル帯の大学との比較
特に出願校で迷っている受験生のために、近隣エリアや同じ偏差値レベルの大学と比較してみましょう。
大学名 | 偏差値 | 共通テボーダー | 2次配点比率 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
鳥取大学 | 65.0 | 80% | 43.8% | 数学・理科の配点が大きい。面接も点数化される。 |
島根大学 | 65.0 | 80% | 42.9% | 英語の配点が大きい。面接は点数化されない。 |
岡山大学 | 67.5 | 84% | 50.0% | 難易度は一段階上。二次試験重視の配点。 |
広島大学 | 67.5 | 84% | 55.6% | 二次試験の比率が非常に高い。 |
山口大学 | 65.0 | 81% | 42.9% | 鳥取・島根と難易度が近い。面接は点数化されない。 |
このように、同じ偏差値帯の大学でも、共通テストと二次試験の配点比率や、二次試験の科目構成が異なります。自分の得意・不得意科目を考慮して、最も有利に戦える大学を選ぶことが合格の鍵となります。
科目配点や進級率などを比較した大学選びの詳しいポイントは、👉 医学部の選び方ガイド を参考にしてください。
【鳥取大学医学部】入試科目と配点・二次試験の傾向

鳥取大学医学部の合格を勝ち取るためには、入試の配点と各科目の傾向を理解し、戦略的に対策を進める必要があります。
共通テストと二次試験の配点比率
鳥取大学医学部(前期日程)の配点は以下の通りです。
- ・共通テスト: 900点満点
- ・二次試験:700点満点
- ・数学: 200点
- ・理科: 200点(物理・化学・生物から2科目選択)
- ・英語: 200点
- ・面接: 100点
合計1,600点満点のうち、二次試験が占める割合は約43.8%です。これは国公立医学部の中では標準的な比率ですが、共通テストの得点だけでは合否は決まりません。二次試験での逆転も十分に可能な配点と言えるでしょう。
科目別の出題傾向と難易度
数学
標準からやや難レベルの問題が出題されます。特に数学IIIの微分・積分は頻出分野です。証明問題や計算量の多い問題も出題されるため、正確かつスピーディーな計算力が求められます。
英語
長文読解が中心で、和訳、内容説明、自由英作文などが出題されます。文章のテーマは医療系に限らず多岐にわたりますが、難易度としては標準的です。時間内に長文を正確に読み解く読解力が鍵となります。
理科
物理・化学・生物から2科目を選択します。どの科目も標準的な問題が中心ですが、幅広い分野から出題されるため、苦手分野を作らないことが重要です。教科書レベルの知識を完璧にし、標準的な問題集を繰り返し解くことが効果的です。
二次試験の数学・英語の対策
特に配点の大きい数学と英語は、重点的な対策が必要です。
- ・数学の対策
- ・標準問題集の徹底: まずは『青チャート』や『Focus Gold』などの標準的な問題集を完璧に仕上げ、解法を確実に身につけましょう。
- ・計算力の強化: 日頃から計算ミスをしないよう、丁寧かつスピーディーに解く練習を積み重ねてください。
- ・過去問演習: 過去問を最低でも5~10年分は解き、出題形式や時間配分に慣れておくことが不可欠です。
- ・英語の対策
- ・長文読解の練習: 毎日1題は長文に触れ、速読力と精読力をバランス良く鍛えましょう。
- ・語彙力の増強: 医学系に限らず、社会科学や自然科学など、幅広いテーマの単語を覚えておくと有利です。
- ・英作文対策: 自由英作文は、基本的な文法や構文を使って自分の意見を論理的に表現する練習が必要です。学校や塾の先生に添削してもらうと良いでしょう。
面接の形式と過去の質問内容
鳥取大学医学部の面接は、100点と配点が明確に設定されており、合否に大きく影響します。
- ・形式
- →受験生1名に対し、面接官3名
- →時間は約10分
- ・過去の質問内容
- →医師志望理由は?
- →なぜ鳥取大学を志望したのですか?
- →鳥取県の地域医療についてどう思いますか?
- →高校生活で頑張ったことは何ですか?
- →あなたの長所と短所を教えてください。
- →最近気になった医療ニュースはありますか?
特に、鳥取県の医療や地域貢献に対する意欲を問われることが多いのが特徴です。なぜ他の大学ではなく鳥取大学で学びたいのか、自分の言葉で具体的に語れるように準備しておきましょう。
医学部入試の面接全般に関する詳しい対策法は、👉 医学部面接対策の記事 を参考にすると安心です。
【鳥取大学医学部】合格最低点・倍率の推移

過去の入試データは、目標設定や受験者層の動向を知る上で重要な指標となります。
一般選抜の合格最低点
過去3年間の前期日程における合格最低点(1,600点満点)の推移は以下の通りです。
年度 | 合格最低点 | 得点率 |
---|---|---|
2023年度 | 1,118.80点 | 約70.0% |
2022年度 | 1,100.20点 | 約68.8% |
2021年度 | 1,164.40点 | 約72.8% |
年によって変動はありますが、合格するためには総点で7割程度の得点が一つの目安となりそうです。共通テストで8割(720点)を取れた場合、二次試験(700点満点)では約57%(400点)程度が必要になる計算です。
一般選抜の志願倍率
前期日程の志願倍率の推移を見てみましょう。
年度 | 募集人員 | 志願者数 | 受験者数 | 合格者数 | 実質倍率 |
---|---|---|---|---|---|
2023年度 | 69名 | 279名 | 251名 | 74名 | 3.4倍 |
2022年度 | 69名 | 311名 | 279名 | 74名 | 3.8倍 |
2021年度 | 69名 | 249名 | 225名 | 74名 | 3.0倍 |
倍率は3倍台で推移しており、国公立医学部としては平均的な水準です。極端に高い倍率ではないため、実力通りの力を発揮できれば合格のチャンスは十分にあります。
学校推薦型選抜の倍率とボーダー
鳥取大学医学部には、一般選抜の他に学校推薦型選抜(地域枠・特別養成枠)があります。
- ・募集人員: 26名
- ・選抜方法: 共通テスト、書類審査、面接
推薦型選抜は募集人員が少ないため、倍率は高くなる傾向にあります。2023年度の倍率は3.3倍でした。また、合格者の共通テスト平均点は一般選抜よりも高くなることが多く、85%以上の得点が求められることも珍しくありません。現役生で、かつ鳥取県の地域医療に貢献したいという強い意志がある受験生にとっては、大きなチャンスとなる入試方式です。
推薦入試の中でも注目される『地域枠』については、メリットや注意点を解説した 👉 医学部地域枠の記事 をご覧ください。
【鳥取大学医学部】生命科学科・保健学科の難易度

鳥取大学医学部には、医学科以外に生命科学科と保健学科も設置されています。これらの学科の難易度も確認しておきましょう。
生命科学科の偏差値と入試情報
生命科学科は、生命現象の根源を探求し、医療や創薬への応用を目指す学科です。
- ・偏差値(河合塾): 52.5
- ・共通テストボーダー: 64%
医学科と比較すると難易度は大きく下がりますが、理系の国公立大学としては標準的なレベルです。研究者を目指す学生に人気の学科です。
保健学科の偏差値と入試情報
保健学科には、看護学専攻と検査技術科学専攻の2つの専攻があります。
看護学専攻
- ・偏差値(河合塾): 47.5
- ・共通テストボーダー: 57%
検査技術科学専攻
- ・偏差値(河合塾): 52.5
- ・共通テストボーダー: 62%
看護師や臨床検査技師を目指す学生が進学します。専攻によって難易度は異なりますが、いずれも医学科よりはかなり低い水準です。
【鳥取大学医学部】特徴と評判

難易度だけでなく、大学そのものの魅力や特徴を知ることも、モチベーション維持や面接対策につながります。
鳥取大学医学部の強みと特色
鳥取大学医学部には、他大学にはないユニークな強みがあります。
- ・先進的な研究分野: 染色体工学研究センターは世界的に有名で、ゲノム医療や再生医療といった最先端の研究に触れる機会が豊富にあります。
- ・地域医療への貢献: 1年次から地域医療に触れる実習が組まれており、地域に根差した医師を育成するカリキュラムが充実しています。
- ・アットホームな学習環境: 学生数が比較的少ないため、教員や先輩・後輩との距離が近く、きめ細やかな指導を受けやすい環境です。
在学生・卒業生からの評判や口コミ
インターネットの掲示板や知恵袋などで見られる評判をまとめました。
- ・良い評判
- →「先生方が親身になって相談に乗ってくれる」
- →「研究設備が整っていて、興味のある研究に打ち込める」
- →「自然が豊かで、落ち着いて勉強に集中できる環境が良い」
- ・気になる点
- →「米子市は都会ではないので、遊ぶ場所は限られる」
- →「車がないと生活が不便に感じることがある」
学習環境としては非常に恵まれている一方で、立地や周辺環境については好みが分かれるようです。オープンキャンパスなどで実際に訪れて、雰囲気を確かめてみることをおすすめします。
後期日程の廃止について
鳥取大学医学部は、2021年度入試をもって後期日程を廃止しました。 現在、一般選抜は前期日程のみとなっています。これにより、国公立医学部を目指す受験生にとっては、前期日程で確実に合格を勝ち取る重要性がより一層高まっています。
【鳥取大学医学部】よくある質問

最後に、受験生が抱きがちな疑問についてお答えします。
再受験生は不利になるのか
結論から言うと、再受験生(多浪生や社会人経験者)だからという理由だけで不利になることはありません。 実際に、鳥取大学医学部には毎年多くの再受験生が入学しています。面接では、なぜ再び医師を目指すのか、これまでの経験をどう活かしたいのかを論理的に説明することが求められます。年齢や経歴そのものよりも、医師への強い熱意と明確なビジョンが評価されます。
合格に必要な勉強時間と対策
医学部合格に必要な勉強時間は、一般的に高校3年間で3,000~5,000時間と言われていますが、個人差が非常に大きいです。重要なのは時間の長さよりも、学習の質です。 苦手科目をなくし、基礎を徹底的に固めること。そして、志望校の過去問を分析し、傾向に合わせた対策を繰り返すこと。これが合格への最も確実な道筋です。
具体的な学習時間の目安や効率的な勉強法については、👉 医学部合格に必要な勉強時間と対策 を参考にしてください。
鳥取大学医学部に受かるには
これまでの情報をまとめると、鳥取大学医学部に合格するためのポイントは以下の3つです。
- ・共通テストで80%以上を確実に取る: まずは第一関門である共通テストで、目標点をクリアできる学力を身につけましょう。
- ・二次試験の数学・英語で差をつける: 配点の大きい数学と英語は、標準問題を確実に解ききり、得意な受験生はさらに高得点を狙う戦略が有効です。
- ・鳥取県の地域医療への理解を深める: 面接で高評価を得るために、大学の特色や鳥取県の医療事情について調べ、自分の言葉で語れるように準備しておきましょう。
まとめ
今回は、鳥取大学医学部の難易度について、偏差値やボーダー、入試傾向など様々な角度から解説しました。
- ・偏差値は65.0、共通テストボーダーは80%が目安。
- ・全国の国公立医学部の中では比較的難易度が低いグループに位置する。
- ・しかし、医学部である以上、合格には非常に高い学力が求められる。
- ・二次試験の配点も高いため、共通テストの結果が悪くても逆転のチャンスがある。
- ・面接では地域医療への貢献意欲が重視される。
鳥取大学医学部は、国公立医学部の中では比較的挑戦しやすい大学ですが、決して簡単な道のりではありません。この記事で得た情報を参考に、自分に合った学習計画を立て、着実に実力を伸ばしていってください。
あなたの努力が実を結び、桜咲く春を迎えられることを心から応援しています。
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