「秋田大学の医学部って、実際のところどのくらい難しいの?」「偏差値や共通テストのボーダーは?」「『やばい』って噂も聞くけど本当?」
国公立大学の医学部を目指す受験生なら、一度は秋田大学医学部を志望校の選択肢として考えたことがあるかもしれません。しかし、その具体的な難易度や大学の評判については、なかなか情報が集まらず不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、秋田大学医学部を目指す受験生とその保護者の方に向けて、最新の偏差値や共通テストボーダー、入試科目といった客観的なデータから、気になる「やばい」という噂の真相、大学の強みや魅力まで解説します。
この記事を読めば、秋田大学医学部の本当の難易度がわかり、あなたが合格するために何をすべきか、具体的な道筋が見えてくるはずです。
【秋田大学医学部】難易度

まず結論からお伝えします。秋田大学医学部の難易度は、国公立大学医学部の中では比較的合格を目指しやすい位置づけですが、全学部の中では最難関レベルであることに変わりはありません。
国公立医学部の中でのレベル・位置づけ
全国に約50校ある国公立大学医学部の中で、秋田大学医学部の偏差値は中堅〜やや下位グループに位置します。そのため、旧帝大などのトップクラスの医学部と比較すると、偏差値上はやや低めに出ることがあります。
しかし、これはあくまで「医学部」という非常にハイレベルな母集団の中での話です。医学部以外の学部を含めた大学全体で見れば、秋田大学医学部はトップクラスの学力が求められる難関であることは間違いありません。
「偏差値が低い」「底辺」という噂の真相
インターネット上では「秋田大学 医学部 偏差値 低い」や「底辺」といったキーワードが見られますが、これは大きな誤解です。
この噂は、前述の通り「全国の医学部の中で相対的に見ると」偏差値がやや低いという事実が一人歩きしたものです。どの大学の医学部も、合格するには極めて高い学力が必要であり、「簡単な医学部」は存在しません。秋田大学医学部も例外ではなく、合格者は全国トップレベルの受験生です。
医学科と保健学科の難易度の違い
秋田大学医学部には、医師を養成する「医学科」と、看護師や理学療法士、作業療法士を養成する「保健学科」があります。
両者は同じ「医学部」という括りですが、偏差値や入試難易度は大きく異なります。一般的に「医学部受験」という場合、医学科を指すことがほとんどです。この記事でも、主に医学科の難易度を中心に解説していきますが、保健学科の情報も併せて紹介します。
【秋田大学医学部】医学科・保健学科の偏差値と全国ランキング

ここでは、大手予備校のデータを基に、秋田大学医学部の最新の偏差値と、全国の国公立大学医学部内でのランキングを見ていきましょう。
秋田大学医学部が全国の医学部の中でどの位置にあるかを正しく理解するには、全国規模での偏差値比較や大学間の序列を押さえることが大切です。
秋田大学医学部医学科の偏差値
秋田大学医学部医学科の偏差値は、65.0前後です。
これは、国公立大学医学部の中では標準的な難易度グループに属しますが、東京大学の理科一類・理科二類(偏差値67.5)に匹敵するレベルであり、極めて高い学力が求められることがわかります。 (参考:河合塾 医進塾)
秋田大学医学部保健学科の偏差値
保健学科は専攻によって偏差値が異なります。
- ・看護学専攻: 50.0~52.5
- ・理学療法学専攻: 52.5~55.0
- ・作業療法学専攻: 50.0~52.5
医学科とは求められる学力層が異なるため、自分の目指す学科の偏差値を正しく把握しておくことが重要です。 (参考:河合塾 医進塾)
全国の国公立大学医学部偏差値ランキング
全国に約50校ある国公立大学医学部の中で、秋田大学医学科がどの位置にあるのかを見てみましょう。
偏差値 | 大学名 |
---|---|
72.5 | 東京大学、京都大学 |
70.0 | 大阪大学、東京医科歯科大学 |
67.5 | 北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、千葉大学、横浜市立大学など |
65.0 | 秋田大学、筑波大学、新潟大学、金沢大学、信州大学、岐阜大学、三重大学、滋賀医科大学、山口大学、徳島大学、香川大学、高知大学、長崎大学、熊本大学、大分大学、宮崎大学、鹿児島大学、琉球大学など |
62.5 | 旭川医科大学、弘前大学、山形大学、福島県立医科大学、島根大学、佐賀大学 |
表を見ると、秋田大学医学部は多くの地方国公立大学医学部と同じ偏差値帯に位置していることがわかります。決して「底辺」ではなく、全国の精鋭たちが集まる厳しい戦いであることが客観的に理解できるでしょう。
【秋田大学医学部】共通テストボーダー・最低点・倍率

偏差値と並んで重要な指標が、共通テストのボーダーラインや合格最低点、そして倍率です。これらのデータから、より具体的な目標設定を行いましょう。
共通テストのボーダーラインと足切り
合格の可能性を判断する上で、共通テストの得点率は非常に重要です。
- ・医学科(前期日程)の共通テストボーダー: 80%前後
- ・医学科(後期日程)の共通テストボーダー: 84%前後
後期日程は募集人数が少なく、前期で不合格だった上位層が受験するため、ボーダーラインが前期よりも高くなる傾向にあります。
また、秋田大学医学部では「足切り(第一段階選抜)」が実施されることがあります。これは、志願者数が募集人員の約3倍(前期)または約10倍(後期)を超えた場合に、共通テストの成績で二次試験に進める受験者を絞り込む制度です。近年、前期日程で足切りが実施されることは稀ですが、後期日程では実施される可能性も考慮しておく必要があります。
二次試験の合格最低点の推移
最終的な合否は、共通テストと二次試験の合計点で決まります。過去の合格最低点を知ることで、目標とすべき総合点が見えてきます。
【医学科・前期日程 合格最低点(900点満点)】
年度 | 合格最低点 | 得点率 |
---|---|---|
2023年度 | 643.80点 | 71.5% |
2022年度 | 630.00点 | 70.0% |
2021年度 | 675.60点 | 75.1% |
(出典:秋田大学 入試情報開示)
年によって変動はありますが、総合点で7割以上の得点が合格の一つの目安と言えるでしょう。
入試形式別の倍率(一般前期・後期・推薦)
倍率は受験生の動向を示す指標です。
【2024年度入試結果(参考値)】
- ・一般選抜(前期日程)
- ・募集人員: 57名
- ・志願者数: 211名
- ・倍率: 3.7倍
- ・一般選抜(後期日程)
- ・募集人員: 20名
- ・志願者数: 319名
- ・倍率: 16.0倍
- ・学校推薦型選抜Ⅱ(地域枠など)
- ・募集人員: 43名
- ・志願者数: 100名
- ・倍率: 2.3倍
(出典:秋田大学 令和6年度入学者選抜状況)
後期日程は募集人員が少ないため、非常に高い倍率になります。一方で、推薦入試は出願要件を満たす必要がありますが、一般選抜に比べて倍率は低くなる傾向があります。
【秋田大学医学部】入試科目と二次試験の傾向・対策

秋田大学医学部に合格するためには、配点や出題傾向を理解し、戦略的に学習を進めることが不可欠です。
共通テスト・二次試験の科目と配点
まずは科目と配点を確認し、どの科目に力を入れるべきかを把握しましょう。
【前期日程(医学科)】
試験区分 | 教科 | 科目 | 配点 |
---|---|---|---|
共通テスト | 国語 | 国語 | 100 |
地歴公民 | 世B,日B,地理B,倫政から1 | 50 | |
数学 | 数ⅠA, 数ⅡB | 100 | |
理科 | 物,化,生から2 | 100 | |
外国語 | 英語(リーディング・リスニング) | 100 | |
合計 | 450 | ||
二次試験 | 数学 | 数ⅠAⅡBⅢ | 150 |
理科 | 物基・物, 化基・化, 生基・生から2 | 150 | |
外国語 | コミュ英ⅠⅡⅢ, 英語表現ⅠⅡ | 150 | |
面接 | 面接 | – (段階評価) | |
合計 | 450 | ||
総合計 | 900 |
秋田大学医学部の特徴は、共通テストと二次試験の配点比率が1:1であることです。また、二次試験では数学・理科・英語が均等配点となっています。そのため、特定の科目に偏ることなく、バランスの取れた学力が求められます。
二次試験の科目別出題傾向と難易度
数学の傾向と対策
秋田大学医学部の数学は、標準的な問題が中心ですが、一部に思考力や計算力を要する問題も含まれます。
- ・頻出分野
- →数学Ⅲの微分法・積分法は最重要分野であり、毎年必ず出題されます。計算が複雑になることも多いため、高い計算力が必要です。
- →複素数平面、確率、数列なども頻出です。
- ・難易度
- →全体としては標準レベルですが、医学部受験生にとっては確実に得点したい問題が多いため、ケアレスミスが命取りになります。
- ・対策
- →まずは教科書の章末問題や、標準的な問題集(「青チャート」や「Focus Gold」など)を完璧に仕上げましょう。
- →その上で、医学部向けのハイレベルな問題集や過去問演習に進み、時間内に正確に解ききる練習を積むことが重要です。
英語の傾向と対策
英語は、長文読解が中心で、和訳や説明問題、英作文などが出題されます。
- ・長文のテーマ
- →医療や科学に関するテーマの英文が出題されることが多いのが特徴です。医学系の専門用語に慣れておくことが有利に働きます。
- ・難易度
- →文章自体の難易度は標準的ですが、設問は内容を正確に理解しているかを問うものが多く、丁寧な読解力が求められます。
- ・対策
- →日頃から医療・科学系の長文に触れておくことが効果的です。速読力と精読力の両方を鍛えましょう。
- →自由英作文も出題されるため、自分の意見を論理的に記述する練習を重ねておく必要があります。
理科の傾向と対策
理科は、物理・化学・生物から2科目を選択します。試験時間は2科目で120分です。
- ・化学
- →理論・無機・有機の各分野からバランスよく出題されます。特に、理論分野の計算問題と有機分野の構造決定は頻出です。知識の正確性と計算力が問われます。
- ・物理
- →力学と電磁気が最重要分野です。標準的な問題が多いですが、現象を正しく理解し、数式に落とし込む力が必要です。
- ・生物
- →遺伝情報、体内環境、生態など幅広い分野から出題されます。知識問題だけでなく、実験考察問題も出題されるため、思考力・読解力が求められます。
- ・対策
- →どの科目を選択するにせよ、時間配分が非常に重要です。苦手分野を作らず、全範囲を網羅的に学習することが合格への鍵となります。過去問を解いて、自分なりの時間配分の戦略を立てましょう。
面接の形式と評価ポイント
二次試験では学力試験に加えて面接も課されます。配点はありませんが、段階評価で合否判定の参考にされます。
- ・形式
- →受験生1名に対し、面接官3名程度の個人面接です。時間は10分程度です。
- ・評価ポイント
- →医師としての適性やコミュニケーション能力が見られます。
- →秋田県の地域医療への貢献意欲も重要な評価ポイントです。「なぜ秋田大学なのか」「秋田の医療にどう貢献したいか」といった質問に、自分の言葉で答えられるように準備しておきましょう。
- →志望理由書の内容に基づいた質問もされるため、提出書類との一貫性も大切です。
医学部入試の二次試験では、面接を通じて医師としての適性が問われます。頻出テーマや評価ポイントを事前に把握しておくことが合否を分けます。
【秋田大学医学部】「やばい」は本当?大学の評判・特徴

「秋田大学 医学部 やばい」というキーワードで検索する人もいますが、これはどういう意味なのでしょうか。ネガティブな意味だけでなく、様々な文脈で使われているようです。
「やばい」と言われる理由を解説
- ・難易度が高すぎて「やばい」
- →最も多いのがこの意味です。前述の通り、医学部合格は非常に難しく、その難易度の高さから「やばい」と表現されることがあります。
- ・立地や気候が「やばい」
- →秋田市にキャンパスがあり、冬は雪深い地域です。都会の生活に慣れている人にとっては、気候や交通の便が「やばい(大変)」と感じられるかもしれません。しかし、落ち着いた環境で勉強に集中したい人には最適な環境とも言えます。
- ・留年率が高くて「やばい」?
- →医学部はどの大学でも進級が厳しく、留年する学生が一定数います。秋田大学が特別に留年率が高いというデータはありませんが、学業についていく大変さを「やばい」と表現する声はあるようです。これは、質の高い医師を養成するための厳しさの表れでもあります。
秋田大学医学部の強みと魅力
ネガティブな噂だけでなく、秋田大学医学部には多くの強みと魅力があります。
- ・地域医療への貢献
- →秋田県唯一の医学部として、地域医療を支える強い使命感を持っています。地域枠の定員が多いのも特徴で、地域医療に貢献したいという高い志を持つ学生が集まります。
- ・先進的な研究
- →高齢化が進む秋田県の課題解決に向けた、老年医学やがん研究などに力を入れています。最先端の研究に触れる機会が豊富にあります。
- ・充実した臨床実習
- →1年次から早期臨床体験があり、早い段階から医療現場に触れることができます。附属病院や関連病院での実習を通じて、実践的なスキルを身につけることが可能です。
卒業後の進路・医師国家試験合格率
教育の質を示す指標として、医師国家試験の合格率も重要です。
【医師国家試験合格率(新卒者)】
年度 | 秋田大学 | 全国平均 |
---|---|---|
2024年(第118回) | 96.2% | 95.4% |
2023年(第117回) | 95.1% | 94.9% |
2022年(第116回) | 94.3% | 95.1% |
(出典:厚生労働省 医師国家試験の合格発表)
秋田大学医学部の医師国家試験合格率は、毎年全国平均を上回る高い水準を維持しています。これは、6年間の教育の質の高さを証明していると言えるでしょう。卒業生の多くは、秋田大学医学部附属病院や県内の関連病院で研修医としてキャリアをスタートさせ、地域の医療を支えています。
2ちゃんねるや知恵袋でのリアルな評判
ネット上の掲示板やQ&Aサイトでは、在学生や卒業生によるリアルな声を見つけることができます。
- ・良い評判
- →「学生と教員の距離が近く、アットホームな雰囲気」
- →「部活動が盛んで、縦と横のつながりが強い」
- →「自然に囲まれた環境で、勉強に集中できる」
- ・気になる評判
- →「遊ぶ場所が少ない」
- →「冬の雪かきが大変」
- →「車がないと生活が不便」
これらの評判は個人の主観によるものですが、大学生活をイメージする上で参考になります。オープンキャンパスなどに参加して、自分の目で確かめてみるのが一番です。
【秋田大学医学部】Q&A

最後に、受験生が抱きやすい疑問についてQ&A形式で回答します。
6年間の学費は総額いくら?
国公立大学の学費は、文部科学省の定める標準額が基準となります。
- ・入学金: 282,000円
- ・授業料(年額): 535,800円
これを基に計算すると、6年間の学費総額は約350万円(535,800円 × 6年 + 282,000円)となります。これは、総額で数千万円かかる私立大学医学部と比較すると、経済的な負担が大幅に少ないのが大きなメリットです。 (参考:秋田大学 学費・奨学金)
詳しくは国立医学部の学費をまとめた記事で確認しておきましょう。
再受験に寛容?不利になることはある?
「秋田大学医学部は再受験生に比較的寛容である」と言われています。年齢や経歴で不利になることは少ないとされていますが、面接では「なぜ再び医師を目指すのか」という理由を明確に、かつ説得力を持って説明することが求められます。多浪生や社会人経験者も合格実績があり、門戸は開かれています。
後期日程のボーダー・科目・倍率は?
後期日程は前期日程よりもさらに厳しい戦いになります。
- ・ボーダー: 84%前後と、前期より高くなります。
- ・科目: 二次試験は小論文と面接のみです。学力試験がないため、共通テストの得点が非常に重要になります。
- ・倍率: 毎年10倍を超える高倍率になることがほとんどです。
共通テストで高得点を取れた受験生にとっては大きなチャンスですが、非常にハイレベルな争いになることを覚悟しておく必要があります。
推薦入試のボーダーと対策は?
秋田大学医学部の推薦入試(学校推薦型選抜Ⅱ)は、秋田県内の高校出身者などを対象とした「地域枠」が中心です。
- ・ボーダー: 一般選抜よりはやや低くなる傾向にありますが、それでも共通テストで78%程度の得点が求められます。
- ・対策: 出願には評定平均の基準(A段階)を満たす必要があります。選考は共通テストの成績に加え、小論文と面接で総合的に評価されます。特に面接では、秋田県の医療に貢献したいという強い意志をアピールすることが不可欠です。
まとめ
この記事では、秋田大学医学部の難易度について、偏差値、ボーダー、入試科目、評判など多角的な視点から解説してきました。
最後に、重要なポイントをまとめます。
- ・難易度: 国公立医学部の中では中堅レベルだが、全学部の中では最難関。決して「簡単」「底辺」ではない。
- ・偏差値・ボーダー: 医学科の偏差値は65.0、共通テストボーダーは前期で80%が目安。
- ・入試科目: 共通テストと二次試験の配点比率が1:1。二次試験は数・理・英のバランスが重要。
- ・大学の魅力: 地域医療への貢献に力を入れており、医師国家試験の合格率も高い。
- ・向いている人: 落ち着いた環境で勉強に集中したい人、地域医療に貢献したいという強い意志を持つ人。
秋田大学医学部は、確かに簡単な道のりではありません。しかし、その難易度や特徴を正しく理解し、適切な対策を継続すれば、合格の可能性は十分にあります。
この記事が、あなたの志望校決定と合格への一助となれば幸いです。
秋田大学医学部を目指すには、日々の学習習慣や受験までの計画がとても大切です。
経験豊富な学研の家庭教師なら、お子さま一人ひとりに合わせたカリキュラムで、受験までしっかり伴走します。